この試合でデビューしたGKに零封される…
PK失敗に茫然のコスティッチ(左端)。サイドからの仕掛けでは相手に脅威を与えたが……。 (C) Getty Images
3月3日(現地時間)、ブンデスリーガ第25節が行なわれ、ハンブルクは0-0でマインツを引き分けた。
17位と降格圏内にいるハンブルクが16位のマインツをホームに迎えた一戦。勝点7差を縮めるため、ホームチームには絶対に勝利が求められた。
その使命感が、選手に十分な気合を植え付けたのだろう。ハンブルクは立ち上がりからボールを保持して敵陣に攻め入り、先制ゴールを狙っていく。
最初の決定機は、早くも5分に訪れた。右SBで先発出場した酒井高徳のフィードから、マーカーを振り切って抜け出したシップロックが決定的なシュートを放つが、この試合がトップチーム・デビュー戦のGKミュラーにセーブされた。
続いてハンブルクは22分、ジャッタの折り返しをシップロックがゴール前で流し、コスティッチがフリーで叩くが、ここでもミュラーが好反応により、軌道が変わったボールはクロスバーを叩いた。
その2分後、シップロックのダイレクトヒールで抜け出したコスティッチが、今度はミュラーの牙城を崩したが、今度はラストパスの際にオフサイドポジションにいたとして、ゴールは無効された。
ハンブルクは攻守の切り替えが非常に速く、ボールを失うと敵陣で即相手にプレッシャーをかけていく。これでマインツがミスを犯すことにより、すぐにボールを奪って次の攻撃に繋いでいった。
ただ、良いかたちで敵陣に入るものの、そこからの展開が適切でなく、またパスやボールコントロールも精度を欠き、もったいないと思わせる場面も非常に多い。酒井は守備で縦横に精力的に動いてプレーに絡む反面、パス出しの部分では幾度か危なっかしさも感じさせた。
一方のマインツでは、2トップの一角として先発出場した武藤嘉紀が、13分に好位置でパスを受けてチャンスを迎えるも、ここでは右サイドから駆け上がったホルトマンへのパスを選択。しかし、素早く寄せた酒井にボールを奪取された。
武藤はフィジカル面の強さを見せ(その分、激しい当たりで倒れる場面も)、14分には後方からのパスをうまくスルーしてクアイソンの前半唯一(チームとしても)のシュートを引き出したが、防戦のなかでボールが前線まで届く回数があまりに少なく、以降は見せ場を作れずに前半を終えた。
最初の45分間は、気合十分のハンブルクが完全に試合を支配し、マインツは組織的な攻撃をほとんど見せられなかった。
後半も躍動するハンブルク。48分、コスティッチの左からの好クロスをシップロックが頭で折り返したところを、走り込んできたファン・ドロンヘレンが右足で合わせたが、ボールはクロスバーを越える。
ハンブルクは前半同様、守備での出足が速く、厚い攻撃を可能にするだけでなく、味方が悪いかたちでボールを失ってもこれをカバー。ルーズボールやこぼれ球への反応も良いことで、セットプレーではフィニッシュまで持ち込むことが可能となった。
そして61分、酒井のフィードからヴァルトシュミットが抜け出しそうになったところを、マインツのバログンがペナルティーエリア内で押し倒してしまう。これでハンブルクにPKが与えられただけでなく、バログンは2度目の警告で退場を宣告された。
数的優位を得た上で、先制もしたかったハンブルクだが、コスティッチの左隅を狙ったキックはミュラーに読まれ、この最大の決定機も活かすことができない。
その後、11人のホームチームがこれまで以上に相手を押し込むが、マインツもミュラーを中心にした守備陣が粘って耐え、逆にカウンターから敵陣深くまで侵攻する。ひとり減った後の方が、マインツは守備だけでなく、攻撃でも効果を増した感があった。
74分にはMFユンクに代えてFWアルプを投入し、得点を奪いにいくハンブルク。終盤に入ってからも圧倒的なポゼッションを誇りながらマインツ・ゴールに迫るが、相手の守備ブロックを崩すまでには至らず、シュートは遠めのものに限定される。
コスティッチの積極的な突破はDF陣に脅威を与えたが、それ以外でハンブルクの攻撃はアイデアに乏しく、ボールはゴール前を飛び交ったものの、ここで先にボールに触るのは常に、マインツの選手だった。
4分のアディショナルタイムでもゴールネットが揺れることはなく、試合は終了。ハンブルクは気合のこもった良いプレーを見せるも、大事なところでの精度の低さと、マインツのルーキー守護神の好守に泣くことに。残り9試合……さらに厳しくなった。
対するマインツも、勝点3が欲しい立場ではあったが、内容を見れば勝点1を得ただけで良しとしなければならないだろう。武藤は88分にウジャーと交代。後半はさらに守備での仕事に忙殺され、結局、試合を通してシュートを撃つことはなかった。
勝点1の意味合いは、両チームで違いはあるものの、それでも痛み分けという言葉が相応しい一戦となった。
17位と降格圏内にいるハンブルクが16位のマインツをホームに迎えた一戦。勝点7差を縮めるため、ホームチームには絶対に勝利が求められた。
その使命感が、選手に十分な気合を植え付けたのだろう。ハンブルクは立ち上がりからボールを保持して敵陣に攻め入り、先制ゴールを狙っていく。
最初の決定機は、早くも5分に訪れた。右SBで先発出場した酒井高徳のフィードから、マーカーを振り切って抜け出したシップロックが決定的なシュートを放つが、この試合がトップチーム・デビュー戦のGKミュラーにセーブされた。
続いてハンブルクは22分、ジャッタの折り返しをシップロックがゴール前で流し、コスティッチがフリーで叩くが、ここでもミュラーが好反応により、軌道が変わったボールはクロスバーを叩いた。
その2分後、シップロックのダイレクトヒールで抜け出したコスティッチが、今度はミュラーの牙城を崩したが、今度はラストパスの際にオフサイドポジションにいたとして、ゴールは無効された。
ハンブルクは攻守の切り替えが非常に速く、ボールを失うと敵陣で即相手にプレッシャーをかけていく。これでマインツがミスを犯すことにより、すぐにボールを奪って次の攻撃に繋いでいった。
ただ、良いかたちで敵陣に入るものの、そこからの展開が適切でなく、またパスやボールコントロールも精度を欠き、もったいないと思わせる場面も非常に多い。酒井は守備で縦横に精力的に動いてプレーに絡む反面、パス出しの部分では幾度か危なっかしさも感じさせた。
一方のマインツでは、2トップの一角として先発出場した武藤嘉紀が、13分に好位置でパスを受けてチャンスを迎えるも、ここでは右サイドから駆け上がったホルトマンへのパスを選択。しかし、素早く寄せた酒井にボールを奪取された。
武藤はフィジカル面の強さを見せ(その分、激しい当たりで倒れる場面も)、14分には後方からのパスをうまくスルーしてクアイソンの前半唯一(チームとしても)のシュートを引き出したが、防戦のなかでボールが前線まで届く回数があまりに少なく、以降は見せ場を作れずに前半を終えた。
最初の45分間は、気合十分のハンブルクが完全に試合を支配し、マインツは組織的な攻撃をほとんど見せられなかった。
後半も躍動するハンブルク。48分、コスティッチの左からの好クロスをシップロックが頭で折り返したところを、走り込んできたファン・ドロンヘレンが右足で合わせたが、ボールはクロスバーを越える。
ハンブルクは前半同様、守備での出足が速く、厚い攻撃を可能にするだけでなく、味方が悪いかたちでボールを失ってもこれをカバー。ルーズボールやこぼれ球への反応も良いことで、セットプレーではフィニッシュまで持ち込むことが可能となった。
そして61分、酒井のフィードからヴァルトシュミットが抜け出しそうになったところを、マインツのバログンがペナルティーエリア内で押し倒してしまう。これでハンブルクにPKが与えられただけでなく、バログンは2度目の警告で退場を宣告された。
数的優位を得た上で、先制もしたかったハンブルクだが、コスティッチの左隅を狙ったキックはミュラーに読まれ、この最大の決定機も活かすことができない。
その後、11人のホームチームがこれまで以上に相手を押し込むが、マインツもミュラーを中心にした守備陣が粘って耐え、逆にカウンターから敵陣深くまで侵攻する。ひとり減った後の方が、マインツは守備だけでなく、攻撃でも効果を増した感があった。
74分にはMFユンクに代えてFWアルプを投入し、得点を奪いにいくハンブルク。終盤に入ってからも圧倒的なポゼッションを誇りながらマインツ・ゴールに迫るが、相手の守備ブロックを崩すまでには至らず、シュートは遠めのものに限定される。
コスティッチの積極的な突破はDF陣に脅威を与えたが、それ以外でハンブルクの攻撃はアイデアに乏しく、ボールはゴール前を飛び交ったものの、ここで先にボールに触るのは常に、マインツの選手だった。
4分のアディショナルタイムでもゴールネットが揺れることはなく、試合は終了。ハンブルクは気合のこもった良いプレーを見せるも、大事なところでの精度の低さと、マインツのルーキー守護神の好守に泣くことに。残り9試合……さらに厳しくなった。
対するマインツも、勝点3が欲しい立場ではあったが、内容を見れば勝点1を得ただけで良しとしなければならないだろう。武藤は88分にウジャーと交代。後半はさらに守備での仕事に忙殺され、結局、試合を通してシュートを撃つことはなかった。
勝点1の意味合いは、両チームで違いはあるものの、それでも痛み分けという言葉が相応しい一戦となった。