【岩本輝雄の場外乱闘レビュー】躍進の予感!? 機能美に富む仙台の守備戦術を解読

2018年03月01日 連載・コラム

目を引いたのがFW阿部の絶妙なポジショニング

柏をシャットアウトし、開幕戦勝利を飾った仙台。石原(11番)や阿部ら攻撃陣の献身的な守備も印象的だった。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ1節]仙台 1-0 柏/2月25日/ユアスタ
 
 ベガルタの守備戦術が上手くハマった。レイソルとの開幕戦は、そんなゲームだったね。
 
 アンカーの富田がトップ下の江坂を監視して、奥埜と野津田の2シャドーがキム・ボギョンと大谷のダブルボランチを見る。阿部と石原の2トップが鎌田と中山のCBコンビにプレッシャーをかけ、古林と永戸の両ワイドがハモン(・ロペス)と伊東のサイドアタッカーの侵入をブロックする。
 
 それぞれがマンツーマン気味に守り、目の前の敵に自由にやらせない。選手同士の距離感も良いから、ボールを奪われたら素早く攻守を切り替えて、数人で囲い込める。ベガルタのシステマティックな守備と個々の粘り強さの前に、レイソルは思うようにビルドアップができず、持ち味を出し切れなかった。
 
 とりわけ目を引いたのが、FW阿部の絶妙なポジショニングだ。個人的な経験から、相手のSBがすぐ隣のCBを飛ばして、その先のCBにパスをつないでくるのが本当に嫌だった。その分、こっちは走らされるし、守備ブロックが動かされてスペースを空けやすくなるから。
 
 でも、阿部はレイソルの最終ラインの"一個飛ばし"をさせないような中途半端な位置取りをしていた。そこに出したら取りに行くよ、と。オフ・ザ・ボールでの駆け引きというか、注意して見ないと分かりにくいと思うけど、彼の守備面の貢献度はかなり高かったはずだよ。

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