「少しシンプルにサイドを使ってほしい…」遠藤航が指摘した攻撃の“ある課題”  

2018年02月25日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

遠藤はマイナス気味のクロスを入れるなど創意工夫を見せていたが…

遠藤はマルティノスや武藤とのコンビで打開を図ったが、相手の堅守を最後まで崩せず。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ1節]FC東京 1-1 浦和/2月24日/味スタ

 相手の堅守を最後まで崩し切ることが出来なかった。
 
 昨季のACL王者・浦和が悲願のリーグ優勝を目指し、開幕戦でFC東京と対戦。後半開始早々に東慶悟に一瞬の隙を突かれて失点を喫したが、直後に柏木陽介の左CKから槙野智章が頭でネットを揺らした。その後は一進一退の展開に。結局、最後まで勝負を決する1点は奪えず、今季のオープニングマッチは1-1の引き分けで終えた。
 
 試合内容を振り返ると、浦和は攻撃面で課題を露呈。前半はサイドにボールを付けても、なかなかクロスを入れられない。迎えた後半は深くサイドを抉ってからクロスを入れる回数が増えたものの、今度は中の選手と出し手が噛み合わず。ゲーム中に修正を加えていくなかで、思い通りのアタックは繰り出せなかった。

 その部分に関しては堀孝文監督も認めるところ。「サイドを起点にしたところの攻撃では前半よりも後半のほうが深い位置に入っていけていた。そこからの中への質というか、クロスのタイミングは改善していかないといけない」と反省の弁を述べた。
 では、実際にピッチ内の選手たちはどのように感じていたのだろうか。右サイドバックに入った日本代表の遠藤航はこう語る。
 
「相手もしっかりと下がって守っていたので、中だけだと前半から厳しいと思っていた。もう少しシンプルにサイドを使ってほしいなと思っていた。後半に入る前、監督からもそういう話があったので、自分のところからフリーで持ち上がってクロスを上げるシーンは何回かありました。もう少し、サイドを効果的に使って崩すべきだったし、前半からそういう動きをしても良かった」
 
 指揮官同様に問題点を認識し、試合中からサイドの崩しを思案。クロスの質に関しても、「FC東京に中を閉められていたので、ゴール前に入りづらかったのかなと思う」と難しい状況に陥っていたと語る。
 
 そのなかで、遠藤は可能性を感じさせるボールも配給していた。それが82分のプレーだ。右サイドの高い位置でパスを呼び込み、早いタイミングでグラウンダーのクロスを興梠慎三に供給。「FC東京戦では工夫をしていた。何回かやって、全部合わなくてもどこかで合えばという気持ちでやっていた」と遠藤が言うように、変化を付けたクロスは局面打開のヒントになる。

 次節の広島戦までに微調整を掛けられるか。中央の仕掛けを生かすためにも、サイド攻撃の活性化が求められる。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
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