新生FC東京が示した守備意識の高さ――ドローにも長谷川健太監督は手応え十分

2018年02月24日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

「開幕戦という緊張感のあるゲームで崩されずにやれたのは良い」(長谷川監督)

この日のFC東京は球際の強さやプレスの強度で目を見張るものがあった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ1節]FC東京1-1浦和/2月24日(土)/味スタ
 
 後半開始早々に東慶悟のゴールで先制するも、直後にCKから槙野智章に同点弾を叩き込まれた。結果は1-1の引き分け。浦和との開幕戦を終え、FC東京の長谷川健太監督は「得点の後にすぐ失点するのは一番やってはいけないし、セットプレーからというのも良くない」と勝点1に終わった結果を悔やんだ。
 
 ただ、長谷川監督はオープニングマッチから収穫を得たようで、選手たちの奮戦ぶりに満足げな表情を見せた。とりわけ、指揮官が手応えを感じたのは守備の部分。「(前半終了間際の)興梠選手の振り向きざまのシュートが入ってしまえば彼の凄さになりますが、それ以外はGKを含めて集中してやっていました。ガンバ時代も浦和戦でやられそうなところをたくさん経験していますが、開幕戦という緊張感のあるゲームで崩されずにやれたのは良い」と、高い集中力を保ったディフェンス陣の出来に目を細めた。
 
「危ない場面があっての1-1だったら、トレーニングでいろんなことをやらないといけない。でも、先週のプレシーズンマッチのマリノス戦を経て、バランスよく戦えたと思う」と指揮官が語ったように、完璧に崩される場面はほぼ皆無。中央にボールを入れられたとしても、CBの森重真人とチャン・ヒョンスがクロスをことごとく跳ね返した。
 また、最前線からのプレスも効果的に機能していた。最前線の前田遼一や右サイドハーフの大森晃太郎が献身的にボールを追うなど、守備の意識は昨年と比べても格段に上がっていることを感じさせた。

 ハイプレスに関して、今季から主将を務めるチャン・ヒョンスも胸を張る。「前半も後半も守備的な意識が凄く強かったのかなと思う」と語り、「前線の選手が頑張ってくれたからというのもありますし、僕らが守り切れたのは前線の選手が攻撃的にいってくれたからだと思う」とチーム全体で守備意識が高まっていることを明かした。
 
 FC東京は、ディフェンス面についての今季の方向性を開幕戦で示した。攻撃面で崩し方のバリエーションを増やす課題はあるものの、長谷川監督の考え方は着実にチームへ浸透しつつある。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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