EL未出場のオーバメヤンがELで使えない? ヴェンゲルの不満が爆発「ナンセンスだ!」

2018年02月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「このルールは欧州から消えるべき」

サンチェスとジルーを手放し、ラカゼットは怪我。この危機的状況で新戦力FWのオーバメヤンもELでは起用できない。ルール改正を訴えるヴェンゲルの主張はUEFAに聞き入れられるのか。(C)Getty Images

 アレクサンドル・ラカゼットの故障離脱によって、余計に苛立ちが増しているのかもしれない。

 アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は現地時間2月14日、ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦第1レグのエステルスンズ(スウェーデン)戦の前日会見で、UEFAのルールに改めて不満を表わした。

 ラカゼットは13日、左膝の手術を受けた。直後にアーセナルは「4~6週間離脱する見込み」と発表。エステルスンズとのラウンド32は、2試合ともこのフランス人FW抜きで戦う見通しだという。

 これにより、1月のマーケットでアレクシス・サンチェスとオリビエ・ジルーを放出したアーセナルの前線に、使えるFWはもはやダニー・ウェルベックしか残っていない。冬の新戦力ピエール=エメリク・オーバメヤンをELでは起用できないからだ。

 オーバメヤンは今シーズン、前所属のドルトムントでチャンピオンズ・リーグ(CL)に出場しているが、ELではプレーしていない。だが、ドルトムントがCLのグループステージで3位になり、ELに回ってきたことで、アーセナルはオーバメヤンを起用できなくなったのだ。

 つまりオーバメヤンは、「以前所属していたクラブが、現在同じ大会に出場している」という不適格選手の規約により、出場できないわけだ。

 同じく1月の新戦力であるヘンリク・ムヒタリアンは、前所属のマンチェスター・ユナイテッドがいまもCLで勝ち残っているため、アーセナルでELの試合に出場できる。

 英紙『The Guardian』によると、ヴェンゲル監督は「このルールは欧州から消えるべき。きっとすべてのクラブが合意するはずだ」と、UEFAにルール改正を求めている。

「いまの移籍金の相場を考えてくれ。シーズン途中に5000万ポンド(約77億5000万円)とか、7000万ポンド(約108億5000万円)を払わなければ希望の選手を獲得できない時代なのに、いざ獲得してみたらその選手を使えないなんて、ナンセンスだよ」

 トーナメントではなにがあるか分からない。その中での駒不足は小さくない痛手だ。敵将であるイングランド人のグラハム・ポッター監督を「素晴らしい仕事をしている」と称賛し、エステルスンズを警戒するヴェンゲル監督にとっては、なおさらだろう。

 プレミアリーグで6位に甘んじているアーセナルにとって、優勝すれば来シーズンのCL出場権を得られるELは重要な大会だ。スウェーデンの地で、格下相手に足をすくわれるわけにはいかない。はたしてヴェンゲル監督と彼のチームは、良い結果を残してロンドンに戻ることができるだろうか。
 
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