怪物ロナウドを生んだのは「フットサル」だった?

2018年02月14日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

「苦手だった左足のキックも…」

イベントに登壇した怪物ロナウド。自身の幼少期を振り返った。写真:ナイキ

「フットボール史上最高のストライカーは誰か?」
 
 そんな話題の時に必ずと言っていいほど名前が挙がるのが、元ブラジル代表FWのロナウドだ。
 
 1993年にクルゼイロでプロデビューし、PSVを経て96年に加入したバルセロナで類稀なスピードとゴールセンスを武器に大ブレイク。97-98シーズンのインテルと98年フランスW杯でもスーパーゴールを連発し、一気に世界的な点取り屋に伸し上がる。「フェノーメノ(怪物、超常現象の意)」という当時付いた愛称が、その規格外さを何よりも物語る。
 
 その後は度重なる膝の怪我に苦しんだが、インテル、レアル・マドリー、ミラン、そしてブラジル代表(02年W杯では得点ランク1位の8ゴールを挙げて優勝に貢献)でスペクタクルなゴールを重ね、2011年に惜しまれつつもスパイクを脱いだ。
 
 そんな怪物ロナウドが現地時間2月7日、ロンドンで開催された『ナイキ』のローンチ・イベントに登場。自身がかつて初代モデルを履いたスパイクシリーズ『マーキュリアル』の新フットサル用シューズのお披露目会で、自身の少年時代を振り返った。
 
 ブラジルのほとんどの少年たちがそうであるように、ロナウドも11人制よりも先に5人制をプレーしたという。幼少期をこう振り返った。
 
「まずはフットサルでフットボールのイロハを学んだね。11人制よりもスペースが狭いから、テクニックに磨きがかけられる。スピードやクリエイティビティー、闘争心なんかもすべてフットサルで鍛えられた。僕は左足のキックが実は苦手でね。でも、フットサルで鍛えて、弱点を克服できたんだ」
 
 その幼少時代の経験は、11人制のフットボールの中でも十分に活かされたという。
 
「フットサルの狭いスペースでのプレーに慣れていると、11人制がすごく簡単になるんだ。ペップ(グアルディオラ)やジョゼ(モウリーニョ)など現代の名将たちも、狭いスペースでトレーニングをするだろ? 11人制のフットボールを鍛えるうえで、スモールフィールドの練習はすごく役に立つってことさ」
 
 怪物ロナウドの繊細なテクニックと規格外のスピードが融合したプレーは、天から授かった才能をフットサルで磨き上げたからこそ生まれたのだ。
 
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
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