プレミア制覇が絶望的となったマンUを英紙が皮肉を込めて批判「不十分な“最強スカッド”」

2018年02月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

首位マンチェスター・Cとの差は「16」に…。

頼みのルカク(左)とサンチェス(右)が不発に終わったユナイテッド。現状のままではライバルとの差は広がるばかりだ。 (C) Getty Images

 逆転優勝の望みは完全に潰えたといっても過言ではない。現地2月11日に開催されたプレミアリーグ27節のニューカッスル戦、2位のマンチェスター・ユナイテッドは0-1で敗れ、首位マンチェスター・シティとの勝点差が「16」にまで開いたからだ。
 
 ジョゼ・モウリーニョにとってニューカッスルの本拠地セント・ジェームズ・パークは、そのキャリアで一度も勝利を挙げられていない鬼門ではあった。だが、この日のユナイテッドは、ボール支配率では常に6割以上を保ち、相手を上回るシュート13本を浴びせるなど、試合内容では圧倒していた。
 
 にもかかわらず、65分にニューカッスルのマット・リッチーにセットプレーから決勝点を奪われ、最後までその1点を覆すことができなかったのだ。
 
 試合後、英国メディア『Sky Sports』のトラッシュインタビューでモウリーニョは、「ニューカッスルは獣のように戦っていた。彼らは持っているものを全て出し切っていたし、フットボールの神も彼らの味方をしたんだ」と相手を称えつつ、攻め手を欠いたことを悔やんだ。
 
「もし、10時間プレーしたとしても我々はゴールを決められないだろう。そういうフィーリングだったんだ。何度となくチャンスはあったが、点を取れない。そういう不思議な状況の連続だった。失点はこっちのミスによるものだ」
 
 試合後、複数の現地メディアは優勝レースの終幕を仄めかす報道をしている。英紙『The SUN』もそのひとつ。同紙はマッチレポートにおいて、辛辣にユナイテッドの優勝が遠のいたことを綴っている。
 
「ユナイテッドのわずかな望みは夢となって潰えた。ニューカッスルはよくやった。モウリーニョのチームが敗れ、首位マンチェスター・Cとの勝点が16に広がったことで、宿敵の暴走にますます拍車がかかるだろう」
 
 また、地元紙『Manchester Evening News』は、ユナイテッドが宿敵に大きく水を空けられた要因として、戦力が整理されていないことを挙げている。
 
「ユナイテッドの"最強スカッド"はもはや不十分だ。首位のシティとの差を埋めるためには夏に大幅なテコ入れが必要だろう。当然、ユナイテッドは勝つべきチームだが、ファギー(ファーガソン)時代の面影はなく、もし、来シーズンに優勝するという野望を掲げるならば、怪我人が絶えない現在のスカッドを整理しなくてはいけない」
 
 今年1月の移籍市場でアーセナルからアレクシス・サンチェスを加え、攻撃陣はリーグ屈指の陣容を揃えているものの、守備陣はクリス・スモーリングやフィル・ジョーンズといった代表クラスのタレントが故障続きで安定感を欠いている。
 
 チャンピオンズ・リーグ優勝の可能性は残されているものの、今シーズンのプレミア制覇の実現性が薄れたいま、ユナイテッドに求められているのは、国内での覇権奪還が至上命題となるであろう来シーズンに向けた準備を進めることなのかもしれない。
 
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