【C大阪】期待の新戦力アタッカー高木俊幸が持つ“ふたつの強み”

2018年02月10日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

清武にはあまり見られない特長が、高木にはある。

後半途中から出場した高木は、スルーパスに抜け出すとGKとの1対1を冷静に沈め追加点を奪取。移籍後初の公式戦でインパクトを残した。写真:徳原隆元

【ゼロックス杯】川崎2-3C大阪/2月10日/埼玉
 
 セレッソ大阪がゼロックス・スーパーカップで川崎フロンターレを3-2で下し、2018年シーズン初のタイトルを手にした。
 
 「理想の形でスタートできた」
 新シーズンの幕開けとなる大一番で勝利を収め、そう満足感を語るのは高木俊幸。この試合で注目された新戦力で、輝きを放ったひとりだ。
 
 2-1で迎えた64分、清武弘嗣に代わって途中出場した高木は、78分に同じく新加入のヤン・ドンヒョンのスルーパスに抜け出して、決勝点となるチームの3点目を奪取。
「一瞬の閃きというか……。なんとなくスペースがあったので、そこに走り込みました。パスの強さも最高だったので、思い切って振り抜くだけでしたね」
 
 デビュー戦でいきなり勝利の立役者となった新参アタッカーは、わずか30分弱の出場時間で目に見える結果を残してみせた。『点を取って来いよ』というユン・ジョンファン監督の要求に応え、リーグ戦の開幕を前にしてアピールに成功したと言えるだろう。
 
「ずっとこなしてきたし、一番結果を出してきているポジション。自分としては一番やりがいを感じます」
 高木は左サイドハーフへのこだわりをそう語る。しかしこの主戦場には、今季から10番を背負う日本代表の清武弘嗣がいて、定位置を掴むのは容易ではない。
 
 ただ今季のC大阪はACLとの並行により過密スケジュールを強いられるだけに、計算の立つ"準レギュラー"の存在は非常に重要になる。それに、ゴールシーンで見られたような相手DFの背後を突く動き出しやスピーディな突破は、清武にはあまり見られない特長で、また違う攻撃のアクセントになれる高木は、戦術の幅を広げる意味でも大きな役割を果たしてくれるだろう。
 
 さらに高木が重宝されそうな理由が、アジアでの経験値だ。2015年から昨季まで所属していた浦和では3年連続でACLに出場し、昨季は優勝も経験している。3度の出場はC大阪のなかでは最多だ。厳しいアジアでの戦いを勝ち抜くために、この経験はアドバンテージになるはずで、高木自身も「ACLはアウェーの戦いが本当に厳しいので、そこをどう乗り切れるかが大事だと思う。自分の経験がどこまで活かせるか分からないですけど、そういう部分はチームに伝えていきたい」と、意気込んでいる。
 
「戦術に幅を持たせる、スピード溢れる攻撃センス」と「アジアでの経験値」。これらをどうチームに落とし込んでいくのか。高木の新天地での活躍に注目したい。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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