新加入・瀬川祐輔の“スーパーシュート”はマグレではなく「狙った軌道だった」

2018年02月04日 塚越 始

ちばぎんカップにて、「新加入組で唯一スタメンではなかった」という危機感が結実。

強烈なミドルシュートで1得点をマークした瀬川。狙い通りのシュートだったと本人は語る。写真:田中研治

[ちばぎんカップ]千葉 1-4 柏/2月4日/フクアリ

「スーパーシュートを決めてくれた」
 そのように柏レイソルの下平隆宏監督も絶賛したのが、75分に途中出場の瀬川祐輔がスライダー回転でGKロドリゲスの頭を越してサイドネットにねじ込んだロングシュートだった。
 
 後半開始早々のクリスティアーノのゴールで柏が1-0とリードしていたものの、柏はなかなか追加点を奪えずにいた。すると68分に投入された大宮アルディージャから今季加入した瀬川が右ウイングで登場。試合の趨勢を見極め、「狙った軌道を描けた」と右足で正確にボールをコントロールし、会心の一撃を冷静に沈めた。
 
「僕はシン(中谷進之介)をフォローするために一旦低い位置まで下がっていました。そこでJ(伊東純也)が高い位置までボールを運んでキープしてくれて、相手にボールを取られるかどうかという状況から、僕にパスを落としてくれた。あとはGKの位置も見ずにファーサイドを狙いました。軌道的には思ったとおりのシュートを決められました」
 
 伊東が相手を引き付け、正確な落としのパスが来た時点で、「行ける」と感じた。決してマグレではなく、狙っていたという。狙いどおりのスーパーショットだった。
 
「新加入選手のうち今日は僕だけがスタメンではなかったので、悔しい気持ちがありました。プレーオフでも一本(決定的なシュートを)外していたし、結果を残したかった。でも、あまり気負いすぎず、チームのためにやるべきことをやったうえで、引き締まった試合にできればと心掛けていました」
 
 そのように、チームの勝利のために、という思いが結実したゴールだったという。とはいえ、この1点に舞い上がることもなく、瀬川は謙虚にこの先を見つめていた。
 
「僕には足りない部分がまだまだ多い。連係面はもちろん、スペースの間でボールを受けたりする技術的な部分も。もっとゴール前に顔を出す回数を増やして、ゴール前での落ち着きなど、一つひとつを高めなければいけません。ただ自信がつけばおのずとできるようになるとも確信しています。まず結果を出して、スタメンで出場してチャンスを掴みレギュラーを取りたいです」
 
 あくまでも名刺代わりの一撃。瀬川はより価値のあるゴールを決めたいと欲求を強めた。
 
「もっと大事なJリーグやACLの試合で結果を残したい。加えて、レイソルはポゼッション主体でパスを丁寧につなぐので、一つひとつのプレーを大事にしながら、自分の特長を出して結果を求めて活躍していきたいです」
 
 柏は2月13日にアウェーでACLのグループステージ第1戦・全北現代戦を迎え、そこから国内&アジアのリーグ戦の怒涛の連戦に突入する。瀬川をはじめ、選手層の厚さを早くも見せ付けているところに、チーム全体の充実ぶりが感じられる。
 
取材・文:塚越 始
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