【CL激闘録】C・ロナウドvsイブラに注目が集まった決戦に終止符を打った“伏兵”

2018年02月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

絶好調なパリSGに対して、マドリーは…。

イブラヒモビッチ(左)とC・ロナウド(右)。この2大エースは決定機をことごとく外し、チームの足枷になってしまった。 (C) Getty Images

 いよいよ、来月、チャンピオンズ・リーグ(CL)の熾烈な戦いが再開。現地2月13日に決勝トーナメントがスタートする。
 
 ファンにとってはたまらない魅力的なカードが組まれたなかで、CL2連覇中の絶対王者レアル・マドリーは、トーナメント1回戦でフランスの超名門パリ・サンジェルマンと対戦する。欧州戦線において過去の対戦回数は多くない両チーム。通算成績は2勝2分け2敗と全くの五分である。
 
 ここでは、そのなかでも直近の2015-16シーズンに行なわれたCLグループステージでの2戦を振り返っていきたい。
 
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 このシーズンの両者の対戦は、かなりの注目を集めていた。
 
 というのも、20世紀最高のクラブと称されたマドリーに、2011年にカタール資本に転換してからチアゴ・シウバ、ズラタン・イブラヒモビッチといった大物を次々と獲得し、チーム強化を推し進めていたパリSGが挑戦するという構図が出来上がっていたからだ。
 
 ナセル・アル・ケライフィ会長の「CL制覇」という悲願を成就すべく、このシーズンのパリSGは開幕前、マンチェスター・ユナイテッドからアンヘル・ディ・マリアを獲得してさらにパワーアップし、その気運を高めていた。
 
 開幕から公式戦27戦無敗を維持するなど絶好調だったフランスのパリSG。一方、マドリーのチーム状況は最悪であった。
 
 フロレンティーノ・ペレス会長との確執問題が浮き彫りになったカルロ・アンチェロッティ監督が解任の憂き目に遭ったうえ、さらにチームの精神的支柱であったイケル・カシージャスも会長の独断専行の煽りを受けて退団。さらにチームキャプテンのセルヒオ・ラモスも移籍を仄めかすなど、ピッチ外で混乱が立て続けに起きていたのだ。
 
 また、アンチェロッティの後任として、ナポリから招聘したラファエル・ベニテスの采配も冴えず……。ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの『BBC』は健在だったものの、守備面で不安定さを露呈していた。
 
 そうした対照的な状況下で迎えた10月21日、パルク・デ・プランスで両軍は激突。好調を維持したパリSG優位という下馬評に反して、試合は緊張感のあるものとなった。

 そして、C・ロナウドとイブラヒモビッチという両チームのエースが決定力を欠いた結果、最後まで均衡が破れることはなく、スコアレスで初戦は終了したのだ。
 

次ページ閉塞感を打ち破った伏兵。

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