「びびっていても仕方ない」青森山田から山形へ進む中村駿太の信念

2018年01月28日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

アグエロやG・ジェズスを手本に。

柔らかいタッチと正確なパスで違いを作り出した中村駿太。山形での活躍が期待される。写真:ナイキ

 高円宮杯U-18プレミアリーグの参加チームから選出された『NIKE NEXT HEROプロジェクト』の選抜チームが、1月22~27日にかけてミラノ遠征を実施した。
 
 現地ではインテルのアカデミーの施設でトレーニングを行ない、インテルの下部組織であるASヴィズ・ノーバとヴァレジーナ・カルチョU-19と練習試合を開催。11-1、8-0で圧勝を飾った。
 
 先の高校サッカー選手権でも注目を集め、青森山田からJ2のモンテディオ山形に進む中村駿太がこの遠征を振り返りつつ、プロ入りに向けての抱負を語ってくれた。
 
 
――何を得ようとして遠征に臨んだか?
 
「体格では劣るので(170センチ)、駆け引きしていかにフリーになって受けるかとか、相手の前に身体を入れる動きなどを海外の選手とやって確認したかったですね。細かいターンや一瞬のキレみたいなのは負けていないと思ったので」
 
――この遠征で収穫は?
 
「(ヴァレジーナ戦は)日本ではやったことがないようなぬかるんだピッチで、芝が緩かった。そういうグランドだとパスがズレたりすることもあるので、いい経験になりました」
 
 
――試合ではワンタッチプレーが目立った。
 
「ワンタッチではたいた後の、次のプレーが大事だと思っています。ボールをこねくり回すのではなく、最初はシンプルにはたいて、バイタルエリアでもう一度もらうという動きを意識しています」
 
――青森山田ではワントップをやる試合が多かったが、トップ下やセカンドストライカーのほうが向いているのでは?
 
「僕自身もそう思っています。前に張っているとどうしても窮屈になってしまうし、もっとセンターフォワードに向いている選手はたくさんいるので、生き残っていくには1列下がった位置のほうがいいなと。ずっとフォワードをやってきて、点を取る感覚は身についているので、それをより発揮できると思います。運動量が求められますが、それも持ち味なので」
 
――参考にしている選手は?
 
「身体が小さい選手のゴールシーンは、よく観ています。(セルヒオ・)アグエロとか、最近では同じマンチェスター・シティのガブリエウ・ジェズスの動きも参考にしています。セカンドトップだと、(フィリッペ・)コウチーニョとか、(パウロ・)ディバラ、(アントワーヌ・)グリエーズマンのような後ろから入ってきて点を取れる選手のプレーはチェックしています。日本では、大久保嘉人選手や中島翔哉選手ですね」
 
――プロ入りに向けての抱負は?
 
「甘くない世界だということはよくわかっています。ただ、びびっていても仕方ないので、チャレンジャー精神を持って、自分の持ち味をがんがん発揮していきたいです。まずは練習試合でアピールして、開幕のメンバーに入れるようにがんばりたいです」
 
 今回の遠征メンバーの中でも視野の広さは抜群で、2列目で攻撃のリズムを作り出していた中村駿太。ヴィズ・ノーバ戦では40分間の出場で2ゴールを挙げるなど、得点力の高さも披露した。
 
 普段は人懐っこい笑顔を見せる18歳は、ひとたびピッチに入れば決定的な仕事をする危険な存在へと生まれ変わる。Jの舞台でどんな活躍を見せてくれるのか――。
 
取材・文:江國森(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

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