【U-19】ヒョードル対ミルコが原点?自慢のパワーと闘争心で加藤拓己が飛躍を誓う!

2018年01月26日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

パワーと闘争心が自慢のストライカーに影響を与えたのは格闘技だ!

鍛え抜かれた身体と闘争心で加藤はスペインの地でゴールを量産することが出来るか。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

 J入り組が参加しない1月26日からのU-19日本代表スペイン遠征はフレッシュな顔ぶれとなった。18名中9名が昨年のU-17日本代表から引き上げられた新戦力で、残るメンバーも初招集組が多い。これまでの活動に参加していた5選手は、影山雅永監督の考え方を伝える役も担うこととなる。
 
 とりわけ、今回のメンバーで最も代表経験が多い加藤拓己(山梨学院高→早稲田大)に掛かる期待は大きい。各世代で日の丸を背負ってきた男の武器は何と言ってもフィジカル能力。格闘家と見間違えるほどの体躯から繰り出すヘディングと、右足のシュートはこの世代屈指の破壊力だ。また、戦う姿勢も彼の武器。昨年は山梨学院高でキャプテンを務めたことで、その闘争心により磨きが掛かった。苦しい時に仲間を鼓舞し、闘志溢れるプレーでチームを牽引する。

 23日から25日まで行なわれた東京合宿でも率先して声を出す姿が見られた。その姿には影山監督も、「あいつはその気概がなければ、存在価値がないから(笑)」と評するほどだ。加藤が持つ闘争心は、経験の浅い今回のU-19日本代表にとって、大きな力になるのは間違いない。
 
 もちろん、加藤も今回のスペイン遠征で結果を残したいと思っており、鼻息は荒い。
「自分は代表での得点数に物足りなさを感じているので、もっとFWとして点数を取るべき。もっと、エゴイストにならないと厳しいのかなと思う。チームでは得点を取りに行くタイプだけど、代表だと自分よりも上の選手がいるからパスを出すとかではなく、誰とか関係なく、自分は自分なのでそこはより厳しく得点を求めてやっていきたい」(加藤)
 
 言葉からも戦う姿勢が前面に表われている加藤だが、このようなプレースタイルの原点は少し意外なところにある。それは格闘技だ。特にエメリヤーエンコ・ヒョードルとミルコ・クロコップがお気に入りとのことで、「ヒョードル対ミルコ・クロコップの試合ほどに燃えるものはない。ミルコもヒョードルも好きなのですが、ふたりともがっちりというよりもむっちりしている。自分もがっちりしているわけではなく、むっちりしていて似ているところがある。結局は戦う気持ちを出さないといけないので、そういうところで僕は格闘技の映像を見ている」と話す。
 
 昨年は清水の練習に参加したが、高卒でのJ入りは逃した。そして、代表でも夏に行なわれたSBS杯のチェコ戦で後半アディショナルタイムに劇的な決勝弾を決めたが、11月のU-19アジア選手権1次予選では選外。その悔しさを胸に最後の高校サッカー選手権に挑むも、自身のゴールは報われずに1回戦敗退を喫した。

  そうした悔しさがあるからこそ、今回の遠征ではパワーと闘争心を前面に押し出し、誰よりも結果を残して代表生き残りに懸ける想いが強い。「格闘技は1対1で相手を倒す競技で、それが見ている側にも伝わってくる。それをサッカーに体現できればいいなと思う」という規格外のFWは本能のままにゴールを狙うつもりだ。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
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