東南アジアの大躍進が止まらない!! U-23ベトナムに続き、比国でもACLで同国初の快挙

2018年01月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

「フィリピンサッカーにとって歴史的な出来事。試合の後は眠れなかった」

 東南アジアのサッカー界が活気づいている。1月23日、U-23アジア選手権の準決勝でベトナムがカタールを2-2からのPK戦の末に下し、AFC主催大会における同国初の決勝進出を果たすと、その数時間後にはフィリピンでも同国初の快挙が生まれた。
 
 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフ予選2回戦で、創設わずか6年目のフィリピンのセレス・ネグロスがオーストラリア1部の強豪で、前回ACLにも出場しているブリスベン・ロアーを下し、プレーオフラウンド進出を決めたのだ。本選出場には、1月30日の天津権健戦での勝利が必要とはいえ、フィリピンチームとして初の偉業達成に同国のサッカー界は興奮に包まれている。
 
 試合は35分にブリスベン・ロアーに先制されるものの、セレス・ネグロスは43分にエースのビエンベニド・マラニョンが同点弾。65分に再びマラニョンが決めて勝ち越すと、75分にもオミッド・ナザリが追加点を挙げて突き放す。その後のブリスベン・ロアーの反撃を1点に抑えたセレス・ネグロスが3-2で勝ち切った。
 
 殊勲のマラニョンはAFC公式サイトでのインタビューに応え、「クラブがここ数年間取り組んできたことが結果に反映されて本当に嬉しい。セレス・ネグロスはいまアセアン・サッカーの最前線に位置していて、成長を続けるチームだ。昨夜のことはフィリピンサッカーにとって歴史的な出来事。試合の後は眠れなかった」と、興奮を隠しきれない様子で語っている。
 
 さらにゲームはブリスベン・ロアーにボールを支配される展開となったが、マラニョンは「事前にコーチが伝えてくれた通りの展開だった。ブリスベンは多くの時間でボールを持っていたが、自分たちの強固なディフェンスによって守り切ることができた。そして、ボールを奪ってからのカウンターアタックで、彼らを混乱させることができた」と語り、攻守両面にわたってプラン通りの戦いで勝利を得たことに自信を見せている。
 
 ACL本選出場を懸けた次週の天津権健戦に向けて「自信は絶対的に高い」と語るマラニョン。さらなる快挙達成へ士気はすこぶる高い。
 
 1月27日にはベトナムがウズベキスタンとのU-23アジア選手権決勝を迎え、同30日にはセレス・ネグロスがACLプレーオフラウンドに臨む。快進撃が続く東南アジアのサッカー界。近年ではACLでのムアントン・ユナイテッドやブリーラム・ユナイテッドなどのタイチームの躍進が目につくが、U-23アジア選手権ではベトナムの他に、マレーシアも8強入りし、準々決勝では敗れたものの韓国と終盤まで接戦を演じている。数年前までは明らかに力の劣る地域ではあったが、東南アジアのサッカーはいまや容易に見過ごすことのできない存在となっている。
 
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