横浜FCに名手・松井大輔が加入。記者会見で語った”カズの存在”とチームの魅力

2018年01月24日 芥川和久

「すごく難しかった」海外移籍から日本に帰還した理由は?

奥寺代表が獲得を決めたのも、松井のプレーと経験値を高く評価するからだ。写真:芥川和久

  1月23日、横浜FC東戸塚フットボールパークにて松井大輔の加入記者会見が行なわれた。前日の大雪が残る中にもかかわらず、会場にはテレビ、スポーツ紙をはじめ多くのメディアが集まった。

 
 松井は昨年8月、3年半在籍した磐田からポーランド2部のオドラ・オポーレに活躍の場を移し、再び海を渡った。「向こうで引退というか、最後はヨーロッパで終えたい」。そんな覚悟を持っての移籍だったが、ここまで出場わずか4試合、無得点にとどまっていた。36歳での2度目の挑戦は、「すごく難しかった」と松井は淡々と振り返る。

「向こう(の環境)に慣れるのに時間がかかったのもあるし、チームがずっと勝っている中で(現在2位)、自分の出場機会はなかなか難しかった」
 
 苦闘する日々が続くなか、今年に入って横浜FCからのオファーが舞い込む。「すごく悩んだ」という決断の背中を押したのは、プロとしてのキャリアをスタートさせた京都時代から慕い、その背中を追い続けているカズの存在だった。

「挑戦を続けたい気持ちと、一方で、やっぱり日本でもまた違う目標があるんじゃないかとも思ったし。カズさんに相談もしましたが、『最後は自分で決めるものだから』と。その言葉が背中を押してくれました。またカズさんと一緒にサッカーができたらと。プロ生活も長くないなか、カズさんとできるのは何年もないですから」

 2000年の京都以来、松井は18年ぶりにカズとチームメートになる。当時、京都はJ1を戦っており、「やはりもう1回J1で戦いたい」という気持ちは強い。

「今は、横浜FCをJ1に昇格させることしか考えていない」と、松井は真っ直ぐに前を向いた。実際、松井は今までもルマンや磐田でチームの昇格に貢献しており、会見に同席した奥寺康彦・横浜FC代表兼スポーツダイレクターも、「J1昇格のために、ワールドカップや海外で積んできた豊富な経験を伝えてくれる存在」と、獲得の理由を語っている。

 カズとの親交も深いことから、「横浜FCの試合は何度も見ていた」と松井は言う。彼の目には横浜FCは、「すごく将来のあるチーム。何人かの選手も今年残留したので、今年、来年とすごく楽しみなチームになる」と映る。

「イバがいて、サイドも速くて、良いセンタリングも入る。見ててすごく良いサッカーをしていた。(チームの中での役割やポジションが)どうなるかはまだ分からないけど、(タヴァレス)監督とはフランス語で直に話すことができるし、チームにどう貢献できるか模索していきたい」

【PHOTO】2018Jクラブ・新卒入団&昇格内定~高校・ユース編

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