【現地発】大型CF獲得はチェルシーにとって大間違い!? 小手先の胆略的な補強にサポーターも…

2018年01月23日 山中忍

サポーターたちは半ば呆れ気味…。

今冬の移籍市場でチェルシーの補強リストには、大型CFの名前ばかりが躍っている。そんな補強路線に、コンテ(右下)も頭を悩ませている。 (C) Getty Images

 アンディ・キャロル、ピーター・クラウチ、エディン・ゼコ。いずれも、この1月の移籍市場が後半に差し掛かるあたりから、立て続けにチェルシーの獲得候補として報道されたストライカーたちの名前だ。
 
 その名前を見たサポーターたちは、SNSで「どうせなら補強禁止処分を食らった方がマシだ」と、辛辣なジョークも飛ばした。
 
 地元サポーターたちが、クラブの補強方針に半ば呆れ気味なのも無理はない。いずれも、プレミアリーグでのプレー経験を豊富に持つ代表クラスのストライカーではあるが、一方でリバプールやマンチェスター・シティで主力になりきれなかった、強豪クラブの一員としては実力に疑問符がつくFWでもあるのだ。
 
 ゼコは、2011年1月から約3年半にわたってプレーしたマンチェスター・C時代に過小評価された感は否めないが、既に31歳。クラウチに至っては、今月末で37歳という「高年齢」である。29歳になったばかりのキャロルにしても、相変わらず故障が多く、ウェストハムでは今シーズン、わずか2得点にとどまっている。
 
 巨躯を利するターゲットマン・タイプの彼らを3番手のストライカーとして、戦術のオプションに加えること自体は、決して悪くはないだろう。
 
 たしかにチェルシーには、スピードの乗ったクロスを放り込めるウィリアン、前半戦で新加入のエース、アルバロ・モラタとホットラインを形成したセサル・アスピリクエタ、ロブパスの精度に自信を持つセスク・ファブレガスといった、クロスやロングボールの名手が揃っている。
 
 事実、イタリア人指揮官のアントニオ・コンテは、昨夏の移籍市場でFWのバックアッパーとして、最前線でターゲットマンとなれるフェルナンド・ジョレンテ(現トッテナム)を欲しがってもいた。
 
 だが、プレミアリーグも後半戦に突入し、終盤戦に向けてギアを入れなくてはいけない今のチェルシーは、来シーズンの構想も視野に入れ、1番手であるモラタに良い意味での危機感を与えられる新FWが必要な状態なのだ。

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