【C大阪】杉本健勇はなぜ海外移籍をしなかったのか――その胸中を語る

2018年01月15日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「ここでも成長できると思うし、自分次第でどうにでも変われる」

現在は負傷中の杉本。始動日はランニングで調整に努めた。写真:川本学

 セレッソ大阪が1月15日、舞洲グラウンドで2018年シーズン初の練習を行なった。新加入選手10名を含むトップチームの選手たちがランニング中心のメニューに汗を流した。その中には同月11日に契約更新をした杉本健勇の姿もあった。
 
 昨季22ゴールを決めて、得点ランキング2位に輝いたC大阪のエースには、今オフにスペインのヘタフェからオファーが届いたと報じられていた。かねてより海外志向を口にしていた杉本は、なぜ残留を決意したのか。

「まあ、考えましたね。いろいろありますけど、僕がもうここにいるということがすべて。もう決まっていることなので、多くを語る必要はないかな」
 
 昨年末にはほとんど残留の意思は固まっていたが、年が明けてから、もう一度考え直したという。それでもC大阪に残ることを決めた。その理由は明快だった。

「いろんなケースがあると思います。(井手口)陽介は海外にいきましたし、その選択は本当に素晴らしい。でも残った俺の選択も間違っていない。ここでも成長できると思うし、自分次第でどうにでも変われる」
 
 C大阪には清武弘嗣、山口蛍、柿谷曜一朗ら国内屈指のタレントが揃う。十分にレベルの高い環境で、杉本自身もさらなる成長を見込めると感じているのだ。さらに、昨季の活躍を受けて、他チームからの警戒はより強いものになるだろう。

「今年どれだけできるか。マークも厳しくなってくるし、周囲からの期待も上がっているだろうし、普通のプレーしていても『何やってんねん』と言われてしまう。そんななかだからこそ、気を引き締めてやらなければいけない。チームとしても個人としても昨季の数字をすべて上回りたい」
 
 昨年12月に負った左足関節関節内遊離体の回復も順調。「どんどんやりたい気持ちはあるけど、そこは焦らず。悪化してしまうとあれなので、気持ちは切らずに様子を見ながらやっていく」と焦りはない。
 
 自分で決めたことに後悔など1ミリもない――。覚悟を決めたエースは新シーズンも活躍してくれそうだ。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWeb)
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