「埼玉は考えてなかった」飯島陸が語った前橋育英“進学の理由”と“ふたつの目標”

2018年01月09日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

敵将も舌を巻く得点能力。

鋭い抜け出しを武器に前橋育英の攻撃を牽引。通算7ゴールを決めて得点王に輝いた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[高校サッカー選手権決勝]流経大柏 0-1 前橋育英/1月8日/埼玉
 
 第96回高校サッカー選手権の決勝が1月8日、埼玉スタジアムで行なわれ、前橋育英が流経大柏を1-0で下し、初優勝を収めた。
 

 前橋育英の優勝の一因は、爆発的な攻撃力だ。決勝戦までの5試合で計16得点は、出場48校のうち最多を記録。なかでも3年生FW飯島陸の決定力はピカイチだった。166㌢と小柄ながら鋭い抜け出しでDFの背後を突き、ゴールを量産。2回戦の初芝橋本戦での4得点を皮切りに計7ゴールを奪い、大会得点王に輝いた。
 
 決勝戦では、敵将の本田裕一郎監督から「凄い能力を持っている。放っておいたら、何点取られていたか分からない」とその能力を称賛され、試合ではマンマークをつけられたほどだ。
 
「ここまでガッツリとついてこられたのは初めてだった。ずっとしつこいなと思っていましたね(笑)」
 流経大柏の"エースキラー"こと三本木達哉(3年)からの厳しい密着マークに苦しんだ飯島だったが、それでも焦りはなかった。
 
「インターハイの時もそういう戦法を使っていたので、相手がマンマークに来そうだなと試合前から想定していました。そこでどうやろうかなと考えていました」
 
 一瞬の隙を見つけては、DFの前方あるいは背後に飛び出し、翻弄。前半アディショナルタイムには、相手の最終ラインの裏でボールを受けてポスト直撃のシュートを放った。
 
「マンマークを受けた時のために、スペースを空ける動きだったり、抜け出しでDFを剥がしたりとかいくつかアイデアは持っていました。監督からも、『他の味方に近づけ。ひとりでふたりにつかせてしまえば、そこでスペースが開く』とアドバイスをもらっていました。逆にこれを楽しんでやる。そこで結果を出すくらいの気持ちでやらないと優勝できなかった」
 
 そして迎えた後半アディショナルタイム。この決勝点の場面もまさに、そんな形からだった。MF田部井涼(3年)のフワリと浮いたパスをFW榎本樹(2年)が頭で逸らすと、このボールに反応したのが飯島だ。エリア内でボールを拾った飯島は、GKをかわして左足でシュート。これはDFに防がれたものの、そのこぼれ球を榎本が押し込み、値千金のゴールにつながったのだ。

【男子決勝PHOTO】流経大柏0-1前橋育英 悲願の初優勝!後半AT弾で流経大柏との死闘を制す!

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