【長崎|始動レポート】J1初挑戦ながら目標は「残留のその先」国見トリオも力強く宣言

2018年01月08日 藤原裕久

J1昇格決定後から高田明社長は「ACLを目指す」。

初のJ1に挑むシーズンがスタート。27名で初練習を行なった。写真:藤原裕久

 1月8日、V・ファーレン長崎はクラブとして初となるJ1のシーズンへ向けて始動した。
 
 初練習には、指導者ライセンス受講者の3名と契約未更改の選手を除く27名が参加。新戦力として、DF徳永悠平、GK徳重健太、MF中村北斗の国見高出身トリオと、3年ぶりにチーム復帰となるMF黒木聖仁、札幌からの期限付き移籍で技巧派のMF中原彰吾を補強。さらに、これまでチームにいなかったスピードで勝負できるFWとしてリオ五輪でも活躍したFW鈴木武蔵を加え、東海学園大からDF本多琢人、順天堂大学からMF新里涼とMF米田隼也を獲得した。
 
 一方で、FWファンマこそ条件面での交渉が長引き、8日の練習に参加しなかったものの、昨季の主力が流出することはほとんどなく、毎年のように主力が入れ替わってきた状態は解消される見込みだ。現在も外国籍選手獲得について最終調整を行なっており、チームの体制が完全に整うのはもう少し後になると見られている。
 
 初のJ1ということもあって周囲には「残留」を今季の目標とする声が多いなか、J1昇格決定後からクラブの高田明社長は「ACLを目指す」と意気込みを語っており、8日の取材では高木琢也監督も「ただ残留だけを目標にすることはしたくない。その先を目指していきたい」と宣言。新加入の徳永も「周りはいろいろ言うだろうけど、チームの目標がACLと聞いたので、そこを信じてやっていきたい」と力強くコメントした。
 
 もちろん、これら一連のコメントは残留を甘く見てのものではない。中村が「福岡でも経験しているので、残留の難しさは分かっている。それでも、まずはそこを達成して、次、次と向かっていきたい」とコメントしたとおり、言葉の裏にあるのは、高みを目指しながらも、地に足をつけて戦うという覚悟だ。高木監督も「今までやってきたベースがある中で、レベルアップするためにチャレンジして(チーム内で)競争して欲しい」と語っており、監督、選手ともに残留の難しさやレベルアップの必要性は充分に理解した上で、J1を戦い抜くことを誓っている。
 
 今後、チームは調整を続けながら、13日から2週間の沖縄キャンプに出発。沖縄でコミュニケーションを深めつつコンディションを上げ、ゲームもこなして今季の土台を作り、2月からの鹿児島キャンプではタイトなスケジュールも見据えて連戦でゲームをこなしながらチームを強化していく予定。キャンプを通じて、ベテラン勢がチームに融合し、若手が期待どおりの成長を見せることができれば、自信を持って開幕を迎えられるはずだ。

取材・文●藤原裕久(フリーライター)

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