【選手権】「人生が変わった」上田西の主砲・根本凌が語る恩師への想いと未来像

2018年01月07日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

卒業後の目標はずばり…?

前橋育英の鉄壁の守備陣の隙をつき、上田西に唯一のゴールをもたらした根本。試合後、その視線は次なるステージへと向いていた。 写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[高校サッカー選手権・準決勝]前橋育英 6-1 上田西/1月6日/埼玉スタジアム
 
 チームが劣勢に立たされるなかで、前半29分に、チームで唯一のシュートを放ち、見事にゴールネットへと沈めた上田西の3年生FWの根本凌は、この選手権という舞台で飛躍した一人となった。
 
 今大会で3ゴールをマークして、大会の台風の目となったチームを牽引した根本。「人生で一番強かった」という前橋育英に完敗を喫した後のミックスゾーンでは、悔し涙を流したせいか、その目は少し腫れぼったくも見えたが、「まず、埼スタっていう場所がアジアで一番のスタジアムで、自分が幸せな環境でプレーしたことを噛みしめてました」と、充実ぶりを清々しく話した。
 
 地元の神奈川県を離れ、上田西での寮生活を決意してサッカーに情熱を注いできた根本。親元を離れての入学当初は、「上下関係が厳しい世界でちょっと戸惑った」という。
 
 それでも、「日々の態度を正すことをサッカー部がやれば学校が変わる」という白尾監督の教えを受け、「人間性が培われた」と話す根本は、この選手権で「人生が変わった」とハッキリと口にする。
 
「もう終わってしまったけど、埼スタに来れて、ゴールも決められたことで人生は変わったと思います。良い経験をさせてもらって、上田西に来て本当に良かったです」
 
 大きな人生経験を積んだストライカーは、卒業後、鹿屋体育大に進学する。その進路相談に親身になって乗ってくれたのは、他でもない白尾秀人"先生"だった。
 
 現役時代にJリーグのヴァンフォーレ甲府のFWとしてもプレーした指揮官を「嗅覚を叩き込まれて、何かが違ったら全て的確に教えてくれる。すげぇなって思います」と評する根本に「ずばり、先生はどんな存在か?」と、率直な質問をぶつけてみた。
 
「常に明るくて、サッカーを何でも知っている。尊敬する恩師です」
 
 目標とするストライカーとして、松本山雅の高崎寛之とケルンに所属する日本代表FWの大迫勇也の名前を挙げた根本は、「プロになります」と次なる目標を打ち出して、笑顔で夢の舞台を後にした。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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