中田英寿の元同僚トンマージが「カルチョの忖度主義」排除に向けて立ち上がる!

2018年01月06日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「FIGCをスポーツの議論を中心とする組織に戻したい」と宣言。

FIGC会長選挙に出馬する意向を表明したトンマージ。カルチョの抜本的な改革を掲げる。(C)Getty Images

 カルチョに抜本的な改革に向けて、往年の名手が立ち上がった。現地時間1月5日、元イタリア代表MFのダミアーノ・トンマージがFIGC(イタリア・サッカー連盟)の会長選挙に出馬すると発表した。
 
 昨年11月にイタリア代表はロシア・ワールドカップの欧州予選プレーオフでスウェーデン代表に敗れ、実に60年ぶりにワールドカップ出場権を逃す大失態を演じた。ジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督とともに責任を追及されたカルロ・タベッキオ会長は、紆余曲折の末に辞任。しかし、後任が決まるまではその座に留まるとして、相変わらずのご都合主義ぶりを見せている。
 
 そのタベッキオをようやく追い出せるFIGC会長選挙を1月29日に控える中、出馬表明したのがトンマージだ。ボランチだった現役時代は主にローマで活躍し(96年から10シーズン在籍)、2000-01シーズンにはフランチェスコ・トッティや中田英寿とともにスクデットを獲得。イタリア代表でも25試合に出場し、02年の日韓ワールドカップではレギュラーを張った往年の名手である。
 
 09年に中国の天津泰達でプロキャリアを終えたトンマージは、アマチュアクラブでプレーを続ける傍ら、欧州とアジアを結ぶ会社を中国に設立。そして11年5月には、AIC(イタリア・サッカー選手協会)の会長に就任し、以降は辣腕を振るっている。出馬に際してはこうコメントしている。
 
「私はイタリア・サッカーの変化を先導したいし、いくつかのアイデアを持っている。FIGCを選手たちを大事にし、スポーツプロジェクトの議論を中心とする組織に戻したい」
 
 トンマージの対抗馬となるのは、アマチュアサッカー連盟会長・FIGC副会長のコジモ・シビリア、レーガ・プロ(3部以下のリーグ)会長のガブリエレ・グラビーナという2人。前者はそもそも政治家、後者は法律専門のビジネスマンという典型的な背広組で、タベッキオと懇意にして現在の地位を手に入れた人物だ。
 
 仮にこの2人のいずれかがトンマージを破ってFIGC会長に選出されれば、イタリア・サッカーは選手たちがおざなりにされ、カネや利権ばかりが優先される「忖度主義」から抜け出せず、ピッチ内外で改革は進まないままだろう。
 
 その意味で、元選手であり「カルチョを選手たちの手に返す」と宣言しているトンマージにかかる期待は大きい。1月29日のFIGC会長選挙に注目が集まる。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事