【選手権】開始3分で値千金の決勝弾! 米子北の“黄色いスパイクの仕事人”

2018年01月02日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

目の前にボールが転がり、「打つしかないと思った」。

ゲンの良い黄色いスパイクで決勝点を挙げた城市。父である城市総監督とは「大会中は、特に話はしていません」という。写真:早草紀子

[高校サッカー選手権・2回戦]米子北1-0仙台育英/1月2日/ニッパツ三ツ沢球技場
 
"与えられた時間内"で、きっちりと仕事をこなしてみせた。
 
 前半3分、中盤でのこぼれ球が目の前に転がってくると、城市太志は迷いなく右足を振り抜く。放たれたボールはクロスバーを叩き、ゴールラインの内側に転がった。
 
「打つしかないと思った」
 
 結果的にこのゴールが決勝点となり、米子北は3回戦進出を決める。「シンプルに嬉しいです」と城市は頬を緩めた。
 
 とはいえ、殊勲のFWは同31分にベンチに退く。怪我をしたわけではない。山梨学院との1回戦でも、同29分に途中交代している。
 
「早い段階でしか、自分は点が取れないので。最初の勢いでどれだけいけるか」
 
 前半のうちに交代するのは、本人も納得している。「自分は潰れる役。相手のディフェンスをどれだけ疲れさせるかとか。後半に周りがうまくプレーできるように」。それが城市に求められる重要なタスクだ。
 
 スタートからアグレッシブに動き回り、前線を活性化させる。攻撃をテンポアップさせ、守備のリズムを作る。そうやってチームを勢いづかせて、自身はベンチに下がる。
 
 前半の約30分間で、いかに存在感を示すか。限られたプレータイムの中で、攻守両面で献身的に振る舞いながら、仙台育英との2回戦では勝負を決する大仕事をやってのけた。
 
 値千金のゴールは、身に付けたキットのおかげかもしれない。
 
「県大会の決勝とか、プレミアの時も、黄色いスパイクでしか点を取ってないんですよ」
 
 1回戦は同じ黄色でも蛍光カラーのものだったが、2回戦はゲンの良いスパイクを選び、結果を残した。一条との3回戦も、このスパイクを履くつもりだという。
 
 城市徳之総監督の次男でもあるストライカーの"前半30分"に注目だ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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