【リーガ冬の通信簿|バレンシア編】身体能力に優れた選手たちが織り成すカウンターの切れ味はリーガ随一

2017年12月31日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

高速カウンターを武器に快進撃。

パリSGからレンタルで加入した“C・ロナウド2世”ことグエデスが本領を発揮。スピーディーなドリブルとパワフルなシュートで違いを作った。(C)Getty Images

【17節までの主な成績】
リーガ・エスパニョーラ3位|10勝4分け3敗/36得点・17失点

前半戦のチームパフォーマンス…80点

――◆―――◆――

 2017年のラスト2試合に連敗(16節のエイバル戦と17節のビジャレアル戦)したため、80点に落ち着いたが、残留争いに巻き込まれた過去2年の低迷を思えば、100点を与えてもいいくらいだ。

 快進撃の最大の功労者は、今シーズンから指揮を執るマルセリーノ・ガルシア・トラル監督。組織的なプレスで数的優位の状況を作ってボールを奪い、そこから一気にゴールに迫る攻守の連動性や、その際の明確なアイデアを見れば、指導力の高さは一目瞭然だ。

 ジョフレー・コンドグビア、ゴンサロ・グエデス、ロドリゴといった身体能力に優れた選手たちが織り成すカウンターの切れ味はリーガ随一で、そのチャンスメークから前線のザザがゴールを量産。そして新守護神ネトが決定的なビッグセーブを連発し、守備を支える。

 不安材料を挙げるとすれば、少数精鋭によるパフォーマンスの低下か。

 アンドレアス・ペレイラやラトといったバックアッパーもまずまずの活躍を見せているとはいえ、選手層に余裕はなく、事実、グエデス、ジェイソン・ムリージョ、エセキエル・ガライと怪我人が続出したここ数試合は苦戦が続く。

 その意味でも、コパ・デル・レイがウイークデーに開催される年明けの過密スケジュールは試金石となりそうだ。

☆前半戦MVP☆
ダニエル・パレホ

 組み立て役としてミッドフィールドに君臨。11節のレガネス戦で直接FKを叩き込むなど、プレースキッカーとしても活躍した。

文●下村正幸

※ワールドサッカーダイジェスト2018.01.04号より加筆・修正
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