【プレミア冬の通信簿|トッテナム編】補強不足の影響で57年ぶりのプレミア制覇が…

2017年12月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

エースのケインは絶好調も、層の薄さが響く結果に。

ケイン(右から2番目)やアリ(左から2番目)を中心に魅力的な攻撃を見せているトッテナムだが、怪我人が相次いでローテーションのやり繰りに苦心している感も。 (C) Getty Images

【前半戦の主な成績】
プレミアリーグ5位|11勝4分け5敗/39得点・20失点
チャンピオンズ・リーグ|グループH首位通過/5勝1分け0敗/15得点・4失点
 
前半戦のチームパフォーマンス…70点
 
――◆―――◆――
 
 戦術的な完成度はリーグ随一。4バック(4-2-3-1)と3バック(3-4-2-1や3-5-2)を自在に使い分け、ハリー・ケイン、デル・アリ、クリスティアン・エリクセン、ソン・フンミンらが連動した崩しは、スペクタクルで破壊力抜群だ。
 
 引いて守って相手のハイプレスをいなし、それぞれ、4-1、3-1で快勝したプレミア9節のリバプール戦とチャンピオンズ・リーグ1節(CL)のドルトムント戦では、懐の深さを見せつけた。
 
 CLでは、グループステージで同居したR・マドリーに1勝1分けと勝ち越す、力強い戦いぶりで、グループ首位でのベスト16に勝ち上がった。
 
 順風満帆の欧州戦線とは対照的に、プレミアでは、もたついている。チェルシー、マンチェスター・U、アーセナルとのビッグマッチをことごとく落とし、早くも昨シーズンの負け数に並ぶ4敗を喫して6位に沈む。首位マンチェスター・Cには勝点18差と大きく離され、 57年ぶりのリーグ優勝が遠くに霞んでしまっている。
 
 20歳のコロンビア代表CBのダビンソン・サンチェスが、予想以上に素早く順応して、3バック中央を担うなど、嬉しい驚きを提供したとはいえ、必要最小限に抑えた夏の補強の不足がやはり響いている。
 
 とくにテコ入れのなかった中盤は、ヴィクター・ワニャマとムサ・デンベレの故障が重なった序盤戦は、やり繰りにも苦慮。ウィンクスの飛躍という副産物を生んだが、司令塔として、ポテンシャルを示したそのウィンクスも故障離脱の時期があり、トビー・アルデルワイレルドの欠場で、エリック・ダイアーが穴埋めに回ったため、さらに手薄になっている。
 
 アルデルワイレルドの復帰は2月にずれ込む見込みだが、ワニャマは年明け早々には戻ってくる予定。後半戦の巻き返しは期待できる。ただ、マンチェスター・Cとの差はどこまで詰められるだろうか――。
 
☆前半戦MVP☆
ハリー・ケイン
 過去にプレミアリーグで無得点と苦手の8月を終えた途端に量産態勢に入った。20節のサウサンプトン戦では、年間公式戦通算ゴール数を「56」に伸ばし、リオネル・メッシの記録を塗り替え、名実ともにワールドクラスの点取り屋に。
 
文●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
※ワールドサッカーダイジェスト2018.01.04号より加筆・修正
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