【プレミア冬の通信簿|リバプール編】守備陣が足を引っ張った前半戦…目標修正は必至か?

2017年12月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

攻撃陣の出来は悪くないが…。

新戦力サラーは、その期待に違わぬパフォーマンスを見せつけ、今シーズンはリーグ得点王争いを演じる活躍ぶりを披露している。 (C) Getty Imgaes

【前半戦の主な成績】
プレミアリーグ4位|10勝8分け2敗/46得点・23失点
チャンピオンズ・リーグ|グループE首位通過/3勝3分け0敗/23得点・6失点
 
前半戦のチームパフォーマンス…70点
 
――◆―――◆――
 
 プレミアでは4位、チャンピオンズ・リーグ(CL)はセビージャを抑えてグループステージを首位通過というここまでの結果は、可もなく不可もなくといったところ。
 
 全公式戦(29試合)を通じて3敗と負け数は多くない。プレミアリーグでは、大敗となってしまったが4節のマンチェスター・シティ戦と、9節のトッテナム戦のまだ2敗のみだ。その一方で、引き分けが8つと勝ち切れない印象も強い。13節のチェルシー戦や16節のエバートン戦は、内容で上回りながら、勝点3を取り損ねた象徴的な試合だ。
 
 攻撃陣の出来は悪くない。新加入のモハメド・サラーは文字通り衝撃的なパフォーマンスを見せている。抜群のスピードを駆使した裏への飛び出しだけでなく、冷静なフィニッシュワークも冴え渡り、15ゴールを挙げて望外とも言える得点王争いを繰り広げている。
 
 サディオ・マネも、怪我があったものの、持ち前の打開力を見せつけ、移籍騒動に揺れたコウチーニョにしても、クリエーティブなパスやミドルシュートで毎試合のように違いを 生み出している。
 
 その一方で、安易な失点を繰り返す守備の脆さは相変わらずで、前掛かりになったところをカウンターで突かれる弱点は矯正できていない。
 
 集中力がプツリと切れてしまうCBのデヤン・ロブレンは失点に直結する凡ミスが減らず、 GKのシモン・ミニョレも例によって安定感がない。周囲の不出来に足を引っ張られてか、頼みのジョエル・マティプまで精彩を欠いてしまっているのは気になるところだ。12月27日にサウサンプトンから7500万ポンド(約億円)引き抜いたフィルジル・ファン・ダイクの加入でチーム状況が好転するかが鍵となる。
 
  いずれにしても28 年ぶりプレミア制覇を目標に掲げながら、すでに首位のマンチェスター・Cとは勝点 17差。CL出場権の獲得(と、できればCL上位進出)へと目標は下方修正せざるを得ないだろう。
 
☆前半戦MVP☆
モハメド・サラー
 新加入ながら絶対的な柱となった。元々持っていた爆発的なスピードに加えて、落ち着いたフィニッシュワークに磨きがかかり、得点王争いを演じている。
 
文●田嶋コウスケ
 
※ワールドサッカーダイジェスト2018.01.04号より加筆・修正
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