【プレミア冬の通信簿|チェルシー編】CLとの二足の草鞋に苦しみ不協和音も!?

2017年12月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

独走態勢を気づいた昨シーズンとは雲泥の差。

一部報道で軋轢関係がリークされたコンテ(左)とD・ルイス(右)。早ければ1月の移籍市場で後者がチームを離れる可能性も…。 (C) Getty Images

【前半戦の主な成績】
プレミアリーグ3位|13勝3分け4敗/34得点・14失点
チャンピオンズ・リーグ|グループC2位通過/3勝2分け1敗/16得点・8失点
 
前半戦のチームパフォーマンス…60点
 
――◆―――◆――
 
 苦しんでいるのは、プレミアとチャンピオンズ・リーグ(CL)の両立だ。二足の草鞋を履きこなすには、陣容がとくに量の面で不足しており、2年目のコンテ監督は厳しい現実を突 きつけられている。
 
 その点で大きく響いているのが、指揮官が望んだ戦力を揃えられなかった今夏の補強の不首尾だ。
 
 故障やサスペンションなどで離脱した主力の穴を完全に埋めきれず、バーンリーに敗れるまさかの黒星スタートから17節までにすでに4敗を喫し――昨シーズンは年間で5敗――、首位を快走するマンチェスター・シティとは勝点14の大差。7節の直接対決にも力負けし、プレミア連覇は早くも風前の灯だ。
 
 怪我人の続出も足枷になった。6月のベルギー代表合宿で骨折したエデン・アザールが9月下旬までピッチに立てず、ティエムエ・バカヨコ、ダニー・ドリンクウォーターの中盤の新戦力がともに怪我で出遅れたのは痛かった。
 
 エヌゴロ・カンテとヴィクター・モーゼスという絶対的なキーマンも、それぞれ怪我のために、10月後半の半月ほど、10月中旬から1か月ほど戦列離脱を余儀なくされ、新戦力を取り込んだ組織の熟成が思うように進まなかった。
 
 ピッチでの躓きは周囲の雑音 を招き、コンテとフロントの対立をメディアが煽り立てると、チーム内に不協和音が生まれる という負のスパイラル。ダビド・ルイスとアントニオ・コンテが衝突し、昨シーズンの堅守の立役者が、ほぼ戦力外扱いと裏切った。
 
 相手の研究が進んだ3-4-2-1に手を加え、3センター の3-5-2を導入するなど、苦しみながらも3位に導いているコンテの手腕はさすがの一言。とはいえ、破竹の13連勝で一気に独走状態を築いた昨シーズンの同時期とは、文字通り雲泥の差と言わざるを得ない
 
☆前半戦MVP☆
セサル・アスピリクエタ
 1対1、カバーリング、ポジショニングと多岐に渡る仕事をほぼ完璧に遂行。計5アシストとアルバロ・モラタと強力なホットラインを形成した。
 
文●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
※ワールドサッカーダイジェスト2018.01.04号より加筆・修正
 
 
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