【プレミア冬の通信簿|マンU編】補強効果は絶大も宿敵の背中は…

2017年12月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「ポールがいるのといないのとでは…」

開幕当初はゴールラッシュを見せたルカク(右)だが、シーズンが進むとともにその動きには陰りが見え始めている。 (C) Getty Images

【前半戦の主な成績】
プレミアリーグ2位|13勝4分け3敗/43得点・16失点
チャンピオンズ・リーグ|グループA首位通過/5勝0分け1敗/12得点・3失点
 
前半戦のチームパフォーマンス…70点
 
――◆―――◆――
 
 補強の成功がそのまま結果に結びついている。原動力となっているのは、強靭なフィジカルとスピードでカウンターを締めくくる主砲のロメル・ルカクと、中盤の強度を高め守備に安定感をもたらしたアンカーのネマニャ・マティッチ。
 
 陣容の泣きどころに大金を投じて迎えた新戦力の2人を望みどおりに手に入れたジョゼ・モウリーニョ監督は、堅守速攻のクオリティーを高めることに成功している。ともに4-0のスコアで2連勝とロケットスターを切った開幕当初の勢いは、現在首位を快走するマンチェスター・シティに優るとも劣らなかった。
 
 ブレーキがかかったのは、ポール・ポグバをはじめ、エリック・バイリー、フィル・ジョーンズ、マルアン・フェライニと故障者が続出したのが主な要因だ。
 
 なかでも、「ポールがいるといないとではチームはまったく異なる。スタイルが大きく変わる」とモウリーニョが明言したポグバの離脱の影響が大きく、サスペンションで不在だった16節のマンチェスター・Cとのダービーを含め、欠場時は4勝1分け3敗と勝率がガクンと落ちる。
 
 裏を返せば、特定の個人の能力に依存したチームが限界を露呈しているとも言えるだろう。実際、覇権を争う「ビッグ6」のライバルとの対戦では、とにかく守備を固めてカウンター一発に懸けるという戦い方を徹底し、アーセナルとトッテナムからは勝利を収めたものの、リバプールとは"ゴール前にバスを停めた"スコアレスドローが精一杯で、チェルシーとマンチェスター・Cには押し切られた。
 
 そのマンチェスター・Cとの勝点差は15。いまだ無敗で3節から連勝街道をひた走る宿敵の勢いが止まらないだけに、至上命題とも言えるプレミアの覇権奪回は遠のきつつある
 
☆前半戦MVP☆
ネマニャ・マティッチ
 加入効果は攻守に絶大。中盤の守備を引き締めながら、付かず離れずの絶妙な関係をポグバと築いた。
 
文●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
 
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