ファン・ダイクの“史上最高額”での移籍に疑問の声…「そんな価値はない」「狂った金だ」

2017年12月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

当人は相思相愛のリバプールへの加入に歓喜。

市場の開幕前に移籍を決めたファン・ダイク。念願のステップアップに表情も晴れやかだ。※写真はファン・ダイクのツイッターより

 現地時間12月27日、リバプールはサウサンプトンに所属するオランダ代表CBのフィルジル・ファン・ダイクを獲得したことを発表した。
 
 驚くべきはその移籍金の額で、英国国営放送『BBC』が伝えたところによれば、7500万ポンド(約108億7500万円)になるという。これは今夏にマンチェスター・シティがモナコからバンジャマン・メンディを獲得した際に支払った5200万ポンド(約75億4000万円)を上回るDF史上最高額だ。
 
 ファン・ダイクは今夏にも移籍に向けた動きを見せてはいた。昨シーズン終了後の6月にはリバプールと個人合意にまで至っていたが、サウサンプトンが「不正に接触した」と公表。退団を許すことはなかった。
 
 そのクラブの考えに「失望した」と語ったファン・ダイクは、8月に自らトランスファーリクエストを公表し、「プロサッカー選手として短い人生の中で出来る限り成功したいと考えている」と訴えていた。
 
 だが結局、夏の移籍は叶わず、サウサンプトンに残ったファン・ダイク。それでも、チェルシー、マンチェスター・C、そしてリバプールが関心を寄せ続け、今回、守備陣のテコ入れを図りたいユルゲン・クロップ監督は、こだわりを貫き、口説き落とした格好となった。
 
 本人が望むチャンピオンズ・リーグでのプレーも叶う、いわば相思相愛のクラブへと移籍を果たしたファン・ダイクは、自身のインスタグラムで喜びの想いを綴っている。
 
「サッカー界有数のクラブの一員になれた今日は、僕と家族にとって誇るべき日だ。名高い赤いユニホームを初めて身に着け、ゴール裏のサポーターの前に立つときが待ちきれない。自分のすべてをかけて、この偉大なクラブがこれから何か大きなものを勝ち取るための助けになりたい」
 
 ファン・ダイクは、193cm、92kgという巨躯を利した対人プレーの強さに加え、高質なボールを蹴れるキック力も兼ねる好タレントで、複数クラブによる争奪戦が繰り広げられただけに高額移籍は致し方ないとしても、100億円越えには辛辣な声が上がっている。
 
『BBC』にコメントを寄せた元イングランド代表FWのアラン・シアラーは、「ファン・ダイクは良い選手だが……」と前置きしたうえで、次のように意見した。
 
「7500万ポンド? 彼にそんな価値はないよ。リバプールがセンターラインの強化に必死なことを知っていたサウサンプトンは言い値で交渉できたんだろう。相手が自暴自棄になるのは分かっていたはずだ。巧く交渉したと思うよ」
 
 また、かつてサウサンプトンでも指揮した経験を持つハリー・レドナップも、「狂っている」と高額移籍金に苦言を呈した。
 
「センターバックに支払われるべき額じゃない。狂った金だよ。サウサンプトンの問題は手にした金で代役を見つけられるかどうかだ。そう簡単にはいかないだろうね」
 
 早くも識者たちから辛辣な意見をぶつけられたファン・ダイクは、その額に見合う活躍を見せられるのか? そのプレーに注目だ。
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