ガンバ大阪内定の万能守備者・松田陸が描く雪辱のストーリー! プレミア参入戦の悔しさをバネに選手権で初優勝を狙う

2017年12月23日 平野貴也

スピードは一級品。さらなる飛躍を誓い、プロの舞台へ。

高校屈指の守備者・松田陸。CBだけではなくSBに対応できるのも魅力のひとつだ。写真:平野貴也

 前回大会の悔しさは、忘れていない。決勝戦の舞台で、相手が歓喜に沸くのを眺めなければいけなかった。

 最終学年では必ず――。強く誓った思いは、胸の中で燃え続けている。前橋育英のDF松田陸(3年)は、第96回全国高校サッカー選手権大会で前回準Vを超える初優勝を目指す。
 
 松田は、身長175センチとセンターバックとしては決して大きくはないが、落下地点をいち早く予測し、タイミング良く跳んでハイボールを跳ね返す。また、相手のロングパスにスピードのあるカバーリングで対応することができ、守備範囲の広さも際立つ。U-18日本代表では右サイドバックでも起用されており、スピードはどちらのポジションでも生きている。
 
 11月末にはガンバ大阪への加入内定が発表された。他クラブからもオファーは届いていたが「レベルの高いチームで、自分の力を高められると思った」と関西行きを決断した。「ずっと群馬で育って来たので、関西で生活することにちょっと抵抗があります(笑)。練習参加では、話しかけてもらいましたし、チームの雰囲気はすごく良かったのですが、関西の言葉は、ちょっと怖いイメージがあるというか、口調が厳しく聞こえるところもあるので……早く慣れたいです」と純朴な青年の一面をのぞかせるところもあるが、プレー面で物怖じすることはないだろう。G大阪とダービーマッチで争うセレッソ大阪には同姓同名の選手がいることについては、「それは、言われるので、意識してしまいますね。いずれは、超えたいと思っています」と控え目ながら対抗心をのぞかせた。
 
 プロではサイドバックが主戦場となる。松田は「(攻守の切り替えの)アップ、ダウンは結構できるほうだと思うので、攻撃にたくさん絡みたいです。守備では、1対1の球際の争いやドリブル対応の部分で自分の特長を見てもらいたいと思っています」と適応に自信を見せる。元々、高1の終盤までは、味方を使う攻撃の選手だったこともあり、攻守両面で考えたプレーができる。相手のパスを予測してボールを奪うインターセプトも得意だ。ただ、攻撃面に関しては、クロスボールのレベルアップを課題に挙げた。普段はセンターバックでフィードボールを蹴ることが多いためだ。

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 将来が楽しみな選手だが、G大阪はトップチームに日本代表をズラリと揃える強豪。J3で戦うU-23チームからのスタートが有力だ。しかし、5年に渡って指揮を執った長谷川健太監督が退任し、来季からレヴィー・クルピ新監督が就任するタイミングでもある。松田は「監督が代わるので、最初にインパクトを残せば行けると思うので、最初からガンガンやっていきたい。選手権でも優勝すれば(事前に)プレーを見てもらえると思う。それしか目指していません」と選手権からの猛アピールに意欲を示した。

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