確実に“前進”を続けるヘタフェの柴崎岳。年明けのA・マドリー戦に向けて期待が膨らむ活躍

2017年12月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

限られた時間の中で質の高いプレーを披露。

確実にリーガに馴染んでいる様子の柴崎。コンディションが完全に戻れば、さらなる活躍も期待できそうだ。(C)Getty Images

 現地時間12月20日に行なわれたリーガ・エスパニョーラ17節、ヘタフェ対ラス・パルマスの一戦は、日本代表MF柴﨑岳を擁するヘタフェが2-0の勝利を飾った。

 試合が動いたのは6分、CKのチャンスからCBのファン・カラがヘッドで押し込み、ヘタフェがあっさり先制に成功。さらに15分にも、左サイドを持ち上がったヴィトリーノ・アントゥネスのマイナス方向へのクロスをアマト・エヌディアイエが流し込んで、早々と2点のリードを奪った。

 中盤で相手にボールを持たせ、奪ったらカウンターを仕掛けるというヘタフェのホセ・ボルダラス監督のカウンタースタイルが見事にはまったこの試合は、しかし、徐々にラス・パルマスのペースへと変わっていく。

 おそらくラス・パルマスのファンはひっくり返ってしまったであろうロイク・レミの三度に渡るイージーなシュートミスがなければ、まったく異なる結果に終わっていてもおかしくない展開だった。

 60分をまわったところでヘタフェのボルダラス監督が動く。FWのホルヘ・モリーナに代えてMFの柴崎を中盤の高めの位置に投入し、ボールを落ち着かせるアイデアを実行した。

 自信に満ちた表情で指揮官の指示に耳を傾け、ピッチに立った柴崎は、周囲の選手との距離感やボールとマーカーの位置をつねに意識しながら、右サイド、トップ下、左サイドとポジションを変え、攻と守の両方で持ち前の頭脳的なプレーを披露。流れをヘタフェに取り戻した。

 決定機も演出した。87分、浮き球のボールを鮮やかなトラップでコントロールすると、タイミングもコースも完璧なスルーパスを、走り込んだアンヘル・ロドリゲスに通す。今夏に2部のサラゴサから加入したこのスペイン人FWに、あと少しシュートスキルが備わっていれば、確実に3点目がもたらされていた場面だった。

「ガク(柴崎)の復帰は、ボルダラス監督にとって良い刺激にはならなかった」

 前節のジローナ戦に0-1で敗れた直後は、地元メディアからそういった声も上がっていたものの、この日は、リーガ・エスパニョーラという世界最高峰の舞台で戦っていることを忘れてしまうほどの自然体で、質の高いプレーを連発。確実に"前進"していることを証明した。

 クリスマス休暇を挟んで来年1月6日に再開するリーガでは、A・マドリーと対戦するヘタフェ。柴崎本人にプレッシャーを感じている印象はなく、むしろその表情からは自信を深めている様子がうかがえるだけに、同じマドリードに本拠を置く強豪相手に柴崎がどこまでやれるか、非常に楽しみなところだ。

 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事