4強決定のインカレに異変! 複数のJ内定者を擁する阪南、筑波を連破したのは…

2017年12月18日 竹中玲央奈

Jリーグ内定選手たちは前評判通り、“違い”を見せつけた。

来季磐田への入団が内定している筑波大の中野。最後のインカレはベスト8という結果に終わった。(C SOCCER DIGEST

 その年の大学ナンバーワンを決める全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)が12月13日に開幕したが、この大会は普段の各地域で行なわれているリーグ戦とは異なり、選手の親族や大学関係者を除いた観客が増える傾向がある。この寒い時期に決して行きやすいとは言えない競技場まで足を運ぶ理由は、自分が応援するJクラブへの入団が決まっている選手を"視察する"ためだ。

 
 自分のチームにどれだけの貢献をしてくれるのか、プロの舞台でやっていける実力があるのか――。ともすれば、厳しい目線をピッチに送るファンたちが多い。そして、2回戦の夢の島競技場には、そのような観衆が多かったように思える。
 
 北川柊斗(山形入団内定)、中野誠也(磐田入団内定)、戸嶋祥郎(新潟入団内定)、野口航(北九州入団内定)を擁する筑波大と、重廣卓也(京都入団内定)、脇坂泰斗(川崎入団内定)、山口一真(鹿島入団内定)というタレントを抱える阪南大の試合が開催されたからであろう。スタンドにはそれぞれのチームのファンの姿も見られた。
 
 そのなかでJ内定組は前評判通り、他の選手たちとの違いを見せることに成功したと言えるだろう。中野に出場機会はなかったが、それ以外の選手はさすがの能力を見せてくれた。筑波大の北川と戸嶋は常葉大浜松を相手にゴールを奪って2−1の勝利に貢献。一方の阪南大は内定者3人が中心となった攻撃で東京国際大の守備網に穴を空ける。山口が精度の高いキックから2アシストをマークすれば、重廣はゴールを奪った。いつもと比べれば質は低かったものの、脇阪は長短のパスで攻撃のリズムを作っていた。
 
 筑波大・野口は「(内定者ということで)それ相応のプレーというか、違いを出せるようなプレーはやっていかないといけないと思う」と語っていたが、彼らはその"違い"を随所で発揮していたことは間違いない。
 
 ただひとつの驚きは、J内定者3人を擁する阪南大が東京国際大を相手に敗戦したことである。
 
 球際の激しさと前線へのシンプルなボールを武器に阪南大相手に真っ向からぶつかった東京国際大は開始早々に先制点を奪うと、前半のうちに追加点をマーク。そして後半にダメ押し点を沈めて勝利を決定的なものにした。その後、退場者を出したことにより、阪南大に押し込まれて2点を失ったものの、身体を張った守備で同点弾は許さず。終盤は相手の攻撃の質の高さに苦しんだものの、創部以来初出場となるインカレでベスト8に駒を進めた。

次ページ同じ大学生なのに卒業後のカテゴリが上というのは悔しいものがある。

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