韓国代表が明かすハリルジャパンの実像「組織力が足りない」「僕たちのほうが準備できていた」

2017年12月18日 ピッチコミュニケーションズ

「韓国の選手たちのほうが自信を持ってプレーしていた」(ヨム・ギフン)

鮮烈FKを決めたチョン・ウヨンは、「中国戦や北朝鮮戦よりも良い戦いができるとは思っていた」という。(C)SOCCER DIGEST

 E-1選手権の最終戦で韓国と対戦し、1-4で大敗した日本。38年ぶりに韓国に4失点を喫した試合結果への批判は絶えないが、実際に対戦した韓国代表の選手たちは、ハリルジャパンの実力をどう感じたのか。
 
 日韓戦後、ミックスゾーンで韓国の主力5選手に直接、話を聞いた。
 
「日本は、技術的な部分では飛び抜けていました」
 
 そう切り出したのは、この試合2得点を挙げ、大会得点王にも輝いたキム・シンウクだ。日韓戦でも高さを生かしたプレーが目立っていた197センチの巨漢FWは、日本選手の技術を認めながら、こう続けた。
 
「でも、シン・テヨン監督の戦術は、そういった日本の良さを封じましたし、逆に僕たちは長所を存分に発揮できました。だから日本に勝利できたんだと思います」
 
 日本が持ち味を出せていなかったという意見には、68分に途中出場し、左足で直接FKを決めたヨム・ギフンも同意する。
 
「前半にピッチの外から見ていても、韓国の選手たちのほうが自信を持ってプレーしていると感じましたし、実際に僕たちのほうが上手くボールをつないでいたと思います。これまでの日本の試合を見ると、相手ディフェンスの間にパスを入れた時に、そこからもうひとつ通すパスが鋭い印象がありましたが、今日は少なかった。ボールは中に入ってくるのですが、結局また後ろに戻す場面が多かった。僕たちが組織的に上手く守備をできていたということでしょう」(ヨム・ギフン)
 
 もっとも、こうした展開を試合前から予想していた選手もいた。23分に逆転ゴールを挙げたMFチョン・ウヨンである。
 
「韓日戦という特殊性を差し置いて言えば、正直、中国戦や北朝鮮戦よりも良い戦いができるとは思っていました。中国や北朝鮮は引いて守るチームなので、ブロックを作られると戦いづらい。その点、日本は自分たちのスタイルがあるので、僕たちが攻め入るスペースも増えてパスも回せるだろうと考えていました。実際、その通りになりました」
 
 一方でチョン・ウヨンは、日本代表に印象的な選手もいたという。
 
「昌子はフィジカルも強いし、プレッシングも上手いと思いました。サイドバックの植田は、僕たちの高さを封じようとしていたようですが、結果的にはキム・シンウクを抑えられなかった。僕たちのほうがしっかり準備できていたということでしょう」

次ページ歴史的大敗の裏には日本と韓国の熱量の差があった。

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