井手口の欧州挑戦の障壁となる“英国労働許可証の基準”をおさらい! 必要な条件は?

2017年12月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

代表戦の出場に合わせて基準が変わる。

「少しでも早く行きたい」と漏らしている井手口。はたして、当人の願いは叶うのか? 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 来年1月に幕が開ける欧州の移籍マーケット。各クラブが後半戦に向けた戦力の補填を行なうことが目立つ冬の移籍市場において現在、注目銘柄となっているのが、ガンバ大阪に所属する日本代表MFの井手口陽介だ。
 
 周知の通り、井手口は来る1月にイングランドの古豪リーズ・ユナイテッドへの加入が濃厚とされている。英国国営放送『BBC』は、「ガンバ大阪とリーズは50万ポンド(約7500万円)で移籍合意に達した」と伝えてもいる。
 
 両クラブが正式な声明を発表していないだけに、現状は憶測の域を脱しないが、もし移籍が実現するとなれば、やはり気になるのが英国の労働許可の問題だ。ここで一度、その発行条件を整理してみる。
 
 EU圏外の選手がイングランドでプレーするために必要な労働許可証は、まず第一に代表チームのFIFAランキングに応じて変更される。その発行条件は以下の通りだ。
 
・1~10位:過去2年の国際Aマッチ公式戦で30%以上の出場
・11~20位:過去2年の国際Aマッチ公式戦で45%以上の出場
・21~30位:過去2年の国際Aマッチ公式戦で60%以上の出場
30~50位:過去2年の国際Aマッチ公式戦で75%以上の出場
 
※21歳未満の場合は、対象期間が過去12か月に短縮される。対象期間においてのAマッチで公式戦の割合が30%未満であった場合、親善試合を計算に含める。
 
 最新のFIFAランクで日本は55位と、自動発行の基準は満たしていない。ただ、英国版『ESPN』など複数のメディアは、「1月には日本が50位以内に入る」と見立てており、その場合には井手口の代表戦成績が重要となる。
 
 現在21歳の井手口は、来年1月に移籍したとして、該当試合となるのは今年3月24日に行なわれたUAE戦からの13試合だ。
 
 そのうち、現在行なわれているE-1選手権を含めて8試合(16日の韓国戦に出場したとして)が公式戦で、その割合は39%。よって、親善試合は労働許可の条件の対象外となる。そのため、井手口の出場割合が75%を越える可能性は低い。
 
 仮にW杯予選のみが対象となった場合でも、井手口は5試合中3試合しか出場していないため、60%しかなく、こちらも基準値には及ばない。

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