FW不在の緊急事態…ケルン、超守備的姿勢でバイエルンに挑むも後半の1失点で13敗目

2017年12月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

この結果をポジティブに見るか否かは…

写真はバイエルンの決勝点。圧倒的不利ながらも、ピンチを凌ぎながら攻撃でチャンスを作り、勝機を見出そうとしていたケルンだが、後半はさらに猛攻を受け、60分で我慢の限界を迎えた。 (C) Getty Images

 12月13日(現地時間)、ブンデスリーガ第16節が行なわれ、ケルンは0-1でバイエルンに敗れた。


 ここまで15戦未勝利でダントツ最下位のケルンが、首位のバイエルンの本拠地に乗り込んだ一戦。ただでさえ不利なのに、さらに大迫勇也が肺炎、ギラシーが爪先の炎症と、FWが全て戦線離脱し、SBのクリュンターをトップに置かざるを得ない事態となった。
 
 深刻な駒不足で、サブの枠をユースの選手で埋めたアウェーチームは、立ち上がりから予想通りにバイエルンの攻勢を受け、ゴール前に釘付けにされた。
 
 バイエルンは選手がバイタルエリアにタイミング良く入って相手DF陣を圧倒し、ラインの裏側に抜け出す動きでチャンスを作る。レバンドフスキ、ミュラー、ビダルが惜しいシュートを放ち、セットプレーではCBのジューレが制空権を握ってケルン・ゴールを脅かす。
 
 これに対してケルンは、シュテーガー監督時代から採用してきたオーソドックスな4-4-2ではなく5-4-1のフォーメーションで、完全に守備に主眼を置いた戦法を採用。ひたすら攻められながらも、時にDF陣が粘り、時に相手のシュートミスなどに助けられ、スコアレスの時間を伸ばしていった。
 
 バイエルンは、ゴール前を固めた相手の守備を崩そうと、序盤は多彩な攻撃を仕掛けたものの、徐々にサイドからクロスを入れるという攻撃に限定されていき、意外性のないプレーは、ここまで対応の遅れが目立ったケルンのDFからも比較的容易にかわされていった。
 
 最終ラインを高い位置に置いていたバイエルンに対し、ケルンは時折、クリュンターが快足を活かして抜け出したり、ヨイッチがチャンスを迎えたりしたが、それ以外はほとんどの時間を守備に費やし、前半を終えた。
 
 後半、ケルンはクリュンターが抜け出して好機を掴みかけるも、攻めるバイエルンと守るケルンの構図は変わらず。バイエルンがコマン、ハメスを投入し、さらに破壊力を高めたことで、ケルンはより激しい攻撃に晒されることになったが、幾度もピンチを迎えながら、ぎりぎりのところで失点を免れていく。
 
 しかしバイエルンは60分、ボアテングの上げた浮き球のパスをミュラーがバックヘッドで中央に折り返し、これをレバンドフスキが詰めて、ついにケルンの粘り強い守備の壁を打ち破った。
 
 リードを奪われたアウェーチームとしてはゴールを奪いに行かなければならないところだが、バイエルンの圧力を押し返す力はなく、以降も流れを変えられないままひたすら守勢を強いられ、レバンドフスキ、ルディ、ハメスらにシュートを浴びる。
 
 それでも失点を増やすことなく終盤を迎えると、86分にFKのクリアボールから交代出場のクレメンスがダイレクトボレーを放ち、その1分後にはクリュンターが粘ってDFをかわし左足の強烈なシュート。GKシュタルケが横っ飛びセーブで止めたこの一撃は、ケルンにとってこの試合最大の決定機だった。
 
 さらにユースチームから引き上げられたフューリッヒが切れ味鋭いドリブルでチャンスを作ってクレメンスのシュート(DFにブロックされる)をお膳立てするなど、最後に抵抗を見せたケルンだが、追い付けないまま、リーグ13度目の敗北を喫した。
 
 チーム状況を考えると、もっと悲惨な結果も予想されただけに、リーグ最強の敵に対して徹底的に守って最少失点で終えたことはポジティブに見ることができるかもしれないが、敗戦であることに変わりはなし。これを価値あるものとするには、年内リーグ最終戦となる次節(16日)のヴォルフスブルク戦で結果を残すことが必要となる。
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