デ・ヘアでもクルトワでもない。R・マドリーが新守護神に国産の超逸材を選択か

2017年12月14日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

移籍金ゼロになる来夏まで待たず、1月の獲得が決定的に。

アリサバラガは、各年代のスペイン代表に名を連ねてきたエリート。17年6月のU-21欧州選手権では正GKとして、現在マドリーに所属するアセンシオ、ダニ・セバジョス、バジェホらとともにチームの準優勝に大きく貢献した。(C) Getty Images

 かねてよりケイラー・ナバスに代わる新たな守護神を探していたレアル・マドリーが、アスレティック・ビルバオ所属の23歳、ケパ・アリサバラガと合意に達したようだ。

 スペイン・メディアによると、アリサバラガとビルバオは18年6月に満了する契約の延長交渉を重ねていたが、両者の話し合いが決裂。そこで以前から強い関心を持っていたマドリーが、移籍金が不要となる来夏まで待つのではなく、2500万ユーロ(約32億5000万円)を支払って1月に獲得することを決めたという。

 順調にいけば、冬の移籍マーケットがオープンする1月第1週にも入団の運びとなりそうだ。

「レサマ」と呼ばれるビルバオのカンテラ(下部組織の総称)で育成されたアリサバラガは、レンタル先のバジャドリー(2部)から復帰した昨シーズンに1部デビューしたばかりの新鋭。1部デビュー後すぐにレギュラーの座を掴んだとはいえ、トップチームに正式に登録されたのは今シーズンで、経験値は低い。

 それでも、足下の技術も備えたモダンなGKとして評価は高く、すでにスペイン代表にも定着。不動の守護神であるダビド・デ・ヘア(マンチェスター・U)のバックアッパーとして、ロシア・ワールドカップへのエントリーも濃厚と見られる。

 ヨーロッパの若手GKでは、マドリーも今夏に獲得に動いたイタリアのジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン)が有名だが、スペインではこの怪物GKにも負けない超逸材と評される。

 マドリーのジネディーヌ・ジダン監督もそのタレントを高く買っており、入団が決まれば正GKとして起用することになるだろう。現在レギュラーを務めるナバスの処遇は不透明ながら、少なくとも今シーズンいっぱいはクラブに残り、ローテーション要員として相応の出場機会は与えられると見られる。

 一方で、1月の放出が現実味を増しているのが第2GKのキコ・カシージャだ。この31歳のカンテラーノ(下部組織出身者)は、プレミアリーグに行くのではないかと現地メディアが報じている。

 いずれにせよ、アリサバラガの加入によって、以前から噂に上っていたデ・ヘアやティボー・クルトワ(チェルシー)のマドリー入りはなくなったと見ていいだろう。

 クルトワに関しては、かつての恋人とマドリードで暮らす子供への想いを吐露しており、マドリーが本腰を入れて獲得に動けば、今冬はともかく夏には移籍を承諾する可能性が十分あった。にもかかわらず、マドリーがアリサバラガの獲得を決めたのは、それだけこの若いGKの能力と将来性を高く評価しているからにほかならない。
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