【なでしこジャパン】2年連続得点王は伊達じゃない!好調を維持する田中美南は"優勝決定戦"でも輝けるのか

2017年12月12日 馬見新拓郎

成長を実感して迎えた今大会で、2試合連続ゴール中。

好調を維持する田中の2試合連続ゴールが中国戦の決勝点に!写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[E-1選手権女子]日本 1-0 中国/12月11日/フクアリ

 11日の中国女子代表戦は、高倉ジャパンにとって4回目の国内試合だった。4月のコスタリカ戦、10月のスイス戦、E-1選手権の韓国戦、そして中国戦。その4試合すべてで得点を挙げている選手がFW田中美南(日テレ・ベレーザ)だ。
 
 中国戦での得点は、なでしこジャパンがE-1選手権優勝に王手をかける、貴重な決勝点となった。
 
 20分、右サイドの阪口からパスを受けたMF中島依美(INAC神戸レオネッサ)が、中央でゴールに向かってドリブルを開始するのに合わせて、田中が中国のDFマー・ジュンとDFウー・ハイイエンの間に走っていくと、ペナルティエリア内に進入する直前に田中の足下にラストパスが送られた。
 
「依美さんが絶妙ないいパスをくれたので、本当に流し込むだけでした」
 
 田中はボールに追いつくと、ダイレクトで迷いなく左足を振り抜き、ゴール右下へ。逆を突かれた中国のGKジャオ・リーナーは、倒れそうになりながらも残った左足で田中のシュートを防ごうとしたが、もう次の瞬間にはゴールネットが揺れていた。
 
 代表であっても、なでしこリーグであっても、数年前から田中が常に掲げる目標は、至ってシンプルなものだ。
 
「1試合1得点」
 
 これはストライカーとしては高くもなく低くもない目標である。しかし達成していくのが相当に難しいことは、ここに書くまでもない。
 
 田中は下部組織の日テレ・メニーナに所属しながら、2011年にベレーザのトップチームデビュー。背番号19を付けてプレーしていたが、2013年からは伝統の背番号9というエースナンバーを託された。
 
 ボールを受けてからの素早いターンや、相手最終ライン裏に抜けるスピードを生かして、直近の3シーズンは、日テレのリーグ3連覇に貢献。以前はパフォーマンスにムラがあったが、シュート成功率を徐々に上げていき、2年連続でプレナスなでしこリーグ1部の得点王を獲得した。
 
 得点王を初受賞した昨季は、田中自身が「周りの味方選手に獲らせてもらった得点王」と話していたが、今季は「前のシーズンと比べると優勝に貢献できたかなと思える得点王」と変化してきた。リーグ戦で最も多く得点を取った選手に贈られる得点王という『ものさし』は変わらないが、獲得した本人からすると、ふたつの得点王は違う趣のあるものだった。

次ページ田中のシンプルな目標は、"優勝決定戦"でも達成されるか。

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