【クラブW杯】浦和はなぜあっけなく敗れたのか? ACL決勝後から抱えていた矛盾

2017年12月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

3戦連続の0-1敗戦。ACL決勝後から浦和は何に取り組んでいたのか?

浦和は相手の攻撃をよく抑えたが、マブフートのカウンター一発に沈んだ。(C) Getty Images

 ポゼッション率65%のチームが0-1で敗戦を喫した。浦和レッズは、AFCアジア・チャンピオンズリーグの決勝でアル・ヒラル(サウジアラビア)を打ち破ったのとまったく逆の展開で、クラブワールドカップの初戦で対戦した開催国代表アル・ジャジーラ(UAE)に敗れた。
 
 ボールを圧倒的に保持しながら0-1で敗れるのは、ACL決勝後に行なわれたリーグ戦の川崎フロンターレ戦、横浜F・マリノス戦に続いて3試合連続だ。それは取りも直さず、堀孝史監督にスイッチしてからの浦和の「強み」と「弱み」、「やりたいこと」と「得意なこと」のアンバランス性を示している。それが、このクラブワールドカップの初戦では悪い方に出た。
 
 川崎戦から取り組んでいたのが、ビルドアップ時にアンカーの選手が両センターバックの間に降りて、サイドバックを高い位置に押し上げること。これは3バック型ポゼッションという世界中でポピュラーなやり方だ。それによって両サイドハーフをインサイドでプレーさせ、1トップの孤立感を薄める。これは敵陣の半分くらいのエリアまでは機能している。しかし、その先の打開力が今の浦和には欠けていた。課題を抱えたまま戦い方を継続した浦和は、素直に敗れてしまった。
 
 右サイドハーフでプレーした武藤雄樹は「サイドバックが(中央に入る)僕についてきて、上がってくる僕らのサイドバックが空くというのは、オークランド・シティ戦(アル・ジャジーラの初戦)を見て分かっていたし、やりながらもそう感じていた」と話した。相手のヘンク・テン・カテ監督は、浦和の左サイドと対面する選手を守備時に最終ラインまで下げて5バック状にする対応をしてきたが、それでも切り崩す場面は作っていた。
 
 しかし、ゴールはサイドにあるわけではなく、最終的に中央の選手をどう使うのかという点で解決策を見つけられないまま試合が終わってしまった。確かに興梠慎三が前半に右サイドを崩した攻撃から決定機を迎えてシュートを外したが、90分の中でビッグチャンスと言い切れるのはその1本だけだった。

次ページアル・ジャジーラも国内リーグでは同じ課題に直面していた。

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