“違い”を作ったスピードスター伊東純也が「最低限の良さは出せた」と手応え! W杯行きへの課題は?

2017年12月10日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

ハリルも「仕掛けて抜き切る能力を評価したい」と称賛。

[E-1選手権]日本代表 1-0 北朝鮮代表/12月9日/味の素スタジアム
 
「辛勝」という言葉が相応しかった北朝鮮戦でヴァイッド・ハリルホジッチ監督が名指しで褒め称えたのが、スーパーセーブを連発したGKの中村航輔、そして途中出場して試合の流れを変えた伊東純也だ。
 
 伊東に柏レイソルでチームメイトの中村と同じく初キャップの機会が巡ってきたのが、スコアレスで迎えた56分。高萩洋次郎との交代でピッチに立ち、右ウイングのポジションに入った。
 
 すると、Jリーグ屈指とも謳われる持ち前の爆発的なスピードを活かした突破で次々にチャンスを演出する。60分に右サイドをえぐってクロスを上げれば、直後には同様の形からCKを獲得。その後も右SBの室屋成との絡みながら好機を作り、78分には粘りのプレスで敵からボールを奪い、再びクロスまでもっていった。
 
 そして、ハイライトが89分だ。中村の素早いスローイングから自陣右サイドでボールを受けると、敵3人を相手に自ら仕掛けて敵陣深くまで攻め入ってクロス。再びCKを獲得した。
 
 ゴールに直接的には絡めなかったが、この日もっとも可能性を感じさせたアタッカーは、間違いなく伊東だった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も試合後、「初招集だったが、ボールを持てばチャンスを作れる、違いを作れると証明した。仕掛けて抜き切る能力を評価したい。とくにウチは1対1で勝負できる選手が少ないからね」と手放しで称賛した。
 
 伊東自身も試合後、少なからず手応えを感じていた。投入時を「裏に抜けたり、サイドで持ったら自由にやっていいと言われていたので、自分のできることをやろう、とにかく点に絡もうと思っていた」と振り返り、さらにこう語った。
 
「サイドで受けたらとりあえず仕掛けようと意識していたんですが、相手ディフェンダーが2枚いて完全に抜き切るってことはできなかった。でも、何回かコーナーキックは取れたし、最低限はできたと思います。自分の良さを少しは出せたかなと」
 
 中村の素早いスローイングからの高速カウンターは、「レイソルでも航輔がボールをキャッチした瞬間にいつも狙ってます」という柏でも十八番の形。「今日も声を出してボールをもらって、本当は最後までいければよかったんですけど、相手を押し込んでコーナーキックまではいけた。航輔も俺を探していたって言ってました」と、2人の中ではほとんど狙い通りだったことを明かしている。
 

次ページ少なくとも浅野、乾と争う「資格」を得た。

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