「北朝鮮応援団」が迫力の大声援! 赤いTシャツ、国旗、歌で母国代表を勇気付ける

2017年12月09日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

シュートが外れた後でも歓喜するシーンが印象的。

E-1選手権の日本代表戦で、大声援を送っていた北朝鮮応援団。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[E-1選手権]日本代表 1-0 北朝鮮代表/12月9日/味の素スタジアム
 
 極寒の中でもいつものようにチームを勇気付けた日本代表のサポーターと同じく、印象に残る大声援だった。北朝鮮代表の応援団だ。アウェースタンドの一角に400人ほどが詰め掛け、大きな声を張り上げて母国チームを応援した。
 
 周知の通り、両国は政治的に微妙な関係となっており、現在、日本は独自制裁処置として同国からの入国者を禁止している。しかし、今回は大会参加のため選手やチームスタッフのみ特別許可。とはいえもちろん、一般人は入国できない。
 
 そのためこの日、味の素スタジアムに詰めかけた北朝鮮応援団はすべて日本在住者たち。朝鮮学校の生徒たちだろうか、制服姿の10代の若者も目立った。
 
 赤いTシャツに身を包み、赤と白のスティックバルーンを手にした北朝鮮応援団は、試合前のスターティングメンバー発表時から大歓声。大きな国旗を掲げるシーンもあった。
 
 試合中も一糸乱れぬ動きでスティックバルーンで大きな音を出し、国旗のフラッグを振り、数曲の歌も含めて大声を張り上げ続ける。攻撃でチャンスが訪れた時はもちろん、守備でピンチを切り抜けた際も大きな拍手を送るなど、チームの戦いぶりに一喜一憂した。
 
 とりわけ印象的だったのが、たとえシュートがゴールの枠を外れたり、GKに止められたりした際でも、一回ため息をついたあと、「いいぞ!」と言わんばかりに歓喜するポジティブな姿勢だった。
 
 試合は結局、井手口陽介がアデイショナルタイムに決勝ゴールを叩き込んだ日本代表が1-0で勝利。とはいえ、決定機の数自体は北朝鮮代表のほうが多く、実力差を考えれば大健闘と言っていい戦いぶりだった。これは応援団の「声援の力」もあったに違いない。

取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)
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