"死の組"入りに韓国メディアが悲鳴…「勝点3どころか1を得るのも難しい」

2017年12月07日 慎武宏

「真剣勝負をするチャンスにしたほうが合理的」という受け止め方も。

アジア最終予選から苦戦を続ける韓国代表にとって、今回の組み分けはショックな結果となった。(C)Getty Images

 ロシアW杯のグループリーグ組み合わせ抽選会が1日に行なわれ、韓国はF組に入った。同組で対戦するのは、前回王者のドイツ(FIFAランキング1位)、メキシコ(16位)、スウェーデン(18位)と強豪揃いだ。
 
 それだけに、抽選結果には韓国メディアも悲鳴を上げている。
 
「なんてことだ……シン・テヨン号、ドイツ・メキシコ・スウェーデンとF組」(『スポーツソウル』)
「ロシアW杯組み合わせ抽選…"死の組"に入ったシン・テヨン号」(『JTBC』)
「2018ロシアW杯組み合わせ抽選、"ドイツ"が最後の相手でさらに大きくなった"負担"」(『OSEN』)
 
 といった具合だ。韓国代表はアジア最終予選から苦戦を続けており、ほんの数か月前までは息も絶え絶えだっただけに、韓国サッカー界にとってはなおさらショックが大きかったのかもしれない。
 
 そんな韓国メディアの生の声を知りたくなり、韓国のサッカー専門メディア『FOOTBALLIST』のリュ・チョン記者に話を聞くと、「D、E、F組は、"死の組"と言えるでしょう」と切り出された。
 
「D組は、強豪のアルゼンチン、アイスランド、クロアチアに、ポット4でもっとも実力のあるナイジェリアまで入り、展開が読めない組み合わせとなりました。ブラジルはE組に属しましたが、スイス、セルビアはもちろん、ディフェンスに定評のあるコスタリカも難敵になります。そして、韓国が入ったF組には、絶対王者ドイツがいる。メキシコとスウェーデンも、16強を目指しているチームです。両国がドイツには勝てないと前提すれば、間違いなく、韓国は標的にされるでしょう。厳しい戦いになることは間違いありません」
 
 韓国がF組に入ったことを悪条件として受け止めているわけだが、その一方で"チャンス"ととらえているサッカージャーナリストもいた。韓国のサッカー専門誌『Four Four Two』のホン・ジェミン編集長は、こう話す。
 
「W杯は、ベストコンディションの世界的強豪と戦える唯一の機会です。韓国をはじめ、アジアの国々が、W杯で好成績を残すことは現実的に難しい。それならば、トップクラスのチームと真剣勝負をするチャンスにしたほうが合理的ではないでしょうか」
 
 もっとも、それは逆に言えば、今大会の成績には期待が持てないということでもあるだろう。実際、ホン・ジェミン編集長は、F組の順位を「1位からドイツ、メキシコ、スウェーデン、韓国」と予想する。

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