守護神が歓喜の同点弾! ベネベントがガットゥーゾ初陣のミランから劇的ドローで不名誉記録に終止符

2017年12月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

ミランは2度のリードを守り切れず…。

攻め上がって同点ゴールを叩き込んだプリニョーリに集まって歓喜の輪を作るベネベントの面々。スタンドも大いに沸いた。 (C) REUTERS/AFLO

 現地時間12月3日のセリエA15節でミランは、敵地チーロ・ヴィゴリートに乗り込んで、最下位のベネベントと対戦した。
 
 現地時間11月27日にジェンナーロ・ガットゥーゾがプリマベーラから昇格する形で就任した7位のミラン。そんな"闘犬"は、初陣となったこの一戦で3-4-3システムを採用。最前線の中央には二コラ・カリニッチが入れ、両ウイングにはスソとジャコモ・ボナベントゥーラが配置した。
 
 立ち上がりから主導権を握ったのはミランだった。ガットゥーゾ政権下で初白星を手にしようと意気込むチームは、開幕14連敗中のベネベントを両ワイドを活かした攻撃で押し込んでいった。
 
 積極果敢に攻め込んだミランだったが、ベネベントのタイトな寄せと統率の取れた守備網に手を焼き、決定的なシュートシーンに持ち込むことができずに苦戦を強いられる。
 
 粘り強い守備で相手の焦りを誘ったベネベントは、32分にヴィットリオ・パリジーニが決定的なヘディングシュートを放つなど、少しずつ勢いを見せ始める。
 
 ホームチームに手を焼いたミランだったが、得点への執念を見せて先手を取る。
 
 38分、右サイドからのスローインを受けて、強引にボックス内に侵入したフランク・ケシエがクロスボールを供給。これをボナベントゥーラがヘディングで折り返し、カリニッチがシュート。これは相手DFに弾かれるも、ルーズボールをボナベントゥーラがダイビングヘッドで押し込んだ。
 
 何とか先制に成功して前半を折り返したミランだったが、後半開始早々に出鼻を挫かれてしまう。
 
 50分、左からのCKのこぼれ球をガエターノ・レテツィアがミドルシュート。これはミランの守護神ジャンルイジ・ドンナルンマが弾くも、ルーズボールをゲオルゲ・プスカシュが詰めて同点弾を叩き込んだ。
 
 不意を突かれて失点を喫したミラン。しかし、負のスパイラルからの脱出を狙うベネベントの勢いをすぐさま食い止める。
 
 57分、CKのこぼれ球を右サイドで拾ったボナベントゥーラが絶妙なクロスボールを放り込むと、これにフリーのカリニッチがヘディングで合わせてネットを揺らした。
 
 再びリードを奪ったミランだったが、ベネベントの攻勢の前にペースを掴みきれずにいると、75分にアレッシオ・ロマニョーリが2度目の警告を受けて退場となる。そして、試合は一転してホームが完全に主導権を握る。
 
 そんなミランだったが、数的不利となったところで布陣を4-4-1に変更。パワプレー気味に仕掛けてくるベネベントの攻撃に応戦し、守勢にこそ回されたものの、守護神ドンナルンマを中心とした守りで耐えてみせた。
 
 そして、誰もがミランの勝利を確信し始めたロスタイムの95分にドラマが待っていた。
 
 ボックスの左サイド脇からのダニーロ・カタルディの絶妙なFKに合わせたのは、ゴール前まで攻め上がった守護神のアルベルト・ブリニョーリ。渾身のヘディングシュートを叩き込んだのだ。
 
 まさか、まさかの同点劇にホームのサポーターと選手たちが歓喜し、その興奮が冷めやらぬ中で試合は終了。土壇場でGKのゴールで追いついたベネベントは開幕からの連敗記録をストップ。ついにセリエAで初めて勝点を手にした。
 
 一方、最後の最後に追いつかれ、ガットゥーゾ新体制での初白星はお預けとなったミラン。次節に本拠地サン・シーロで行なわれるボローニャ戦では何としても勝利を飾りたいところだが、はたして……。
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