対照的な歩みのミラノ勢…夏の期待値とは正比例の結果により10年ぶりの事象が発生

2017年11月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「自信を深めている」とミラン指揮官は強気だが…

シーズン開幕時は主役の座にいたミランだったが、やがて粗が見え始め、新加入選手にも批判の的に。そして、気が付けば“静かな”インテルは、はるかに先を行っていた……。 (C) Alberto LINGRIA

 夏の補強が成績に直結するとは限らない。図らずもそのことを証明しているのが、復権を目指すミラノの両雄だ。大型補強で期待されたミランは苦しみ、サポーターから不満の声もあったインテルは快進撃を続けている。
 
 
 中国資本の傘下に入ったミランは今シーズン、王者ユベントスの主軸だったレオナルド・ボヌッチを筆頭に11人もの新選手を獲得。近年の低迷からの脱却を図るべく、巨額を投じてチームをテコ入れした。
 
 だが、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督率いるチームは、開幕当初こそ5連勝を飾ったものの、第6節のサンプドリア戦から3連敗。その後もユベントスやナポリといった強豪に敗れ、現地時間11月26日のトリノ戦でも、ホームで0-0のスコアレスドローに終わった。
 
 ミランは、ローマ戦(7節)、ジェノア戦(9節)、ユベントス戦(11節)、トリノ戦(14節)と、ホームでリーグ戦4試合連続ノーゴール。トリノ戦後、本拠地サン・シーロの観客からブーイングが飛んだのも当然だろう。14節消化で勝点20のミランは、欧州カップ戦出場ラインに勝点6差をつけられている。
 
 それでも、イタリア『スカイ・スポーツ』によると、モンテッラ監督は試合後に「サポーターにはブーイングする権利があるし、結果には満足していないが、チームは良い試合をした」と強調した。
 
「選手たちは最後までトライしたし、このスピリットがあれば結果はついてくる。今の我々は、順位という点で困難な状態にあるが、チームはとても自信を深めていると思う」
 
 だが、ライバルとの差は広がる一方だ。25日のカリアリ戦で3-1と勝利したインテルは、11勝3分けと無敗を保ち、首位ナポリとは勝点2差の2位と好調をキープしている。ミランとの勝点差は、早くも16ポイントとなった。
 
 インテル専門サイト『fcinter1908.it』によると、14節終了時点での勝点差としては、10年ぶりの開きだという。
 
 今シーズンのインテルは、期待された補強を実現できなかった。中国政府が国外投資に厳しくなったことで、オーナーの江蘇グループが方針転換を図ったからだ。
 
 それゆえ、チャンピオンズ・リーグ出場圏争いには顔を出すだろうが、万全の陣容ではないとの見方は少なくなかった。それが、蓋を開ければ、ルチアーノ・スパレッティ新監督の指揮の下で復調を遂げている。
 
 王者ユーベを上回る順位につけていることもあり、タイトルを期待する声も増してきたインテルと、欧州へのチケットを得られるかどうかも危ぶまれているミラン……。
 
「チームは良くなっていると思う。今は歯を食いしばり、さらなる向上のために働き続けなければならない」と意気込んだモンテッラ監督の下は、ミランはここから巻き返せるのだろうか。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事