【鹿島】連覇&20冠はお預け……歴戦の大先輩・中田浩二が口にした重みあるひと言

2017年11月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ネガティブな部分は、決められなかったことぐらい」

シュート数は23対4。果敢に柏ゴールに迫ったが、フィニッシュの精度を欠いて無得点。試合はドローに終わり、連覇と20冠はお預けとなった。写真●徳原隆元

[J1リーグ33節]鹿島 0-0 柏/11月26日/県立カシマサッカースタジアム
 
 2000年の「三冠」を含め、リーグ優勝5回、リーグカップ4回、天皇杯2回と、鹿島で多くのタイトル獲得に貢献してきた中田浩二。常勝軍団の歴史を紡いできた男は現在、クラブ・リレーションズ・オフィサー(以下、C.R.O)の肩書で、スタッフとしてクラブを下支えしている。
 
 そんな中田C.R.Oは、勝てばリーグ連覇と節目の「20冠」が達成されたが、スコアレスドローに終わった先の柏戦をどう見ていたのか。
 
「いろんな要素が重なりましたよね。たとえば、この柏戦はアントラーズにとって3週間ぶりのゲームでした。練習試合はやっていても、(公式戦とは)真剣さが違う。プラスアルファ、優勝もかかっていて、いつもなら強引に行けるところを、少し慎重になってしまったり。
 
 今日に限っては、レイソルもすごく頑張っていたと思います。目の前で優勝されたくない、という気持ちで戦っていたように見えましたね。人数を割いて守備を固めてくる。ああなると点を取るのは難しいですよね。GKの中村航輔も"当たって"いましたし」
 
 もっとも、結果は出せなかったとはいえ、「試合の入り方や内容は良かった。人もボールも動いていた」とチームの戦いぶりを称え、「ネガティブな部分は、決められなかったことぐらい」と続けた。
 
 今回の柏戦は、鹿島にとって今季のホーム最終戦だった。しかもタイトルがかる大一番で、チケットは8年ぶりのソールドアウト。最高の舞台が整っていたが、シーズンがこれで終わるわけではない。
 
「この試合で決めなければ、というシチュエーションなら、最後はパワープレーとかに出たと思いますけど、そうではない。イニシアチブはまだ僕らが持っている。最後、ジュビロに勝てばいい。その前に、フロンターレがレッズに勝てなければ、そこで優勝が決まる(※1)。だから、無理する必要はなかった。そういう意味でも、難しかったのではないですかね」
※1=2位川崎が延期分の浦和戦で引き分け以下なら、最終節を残して首位・鹿島と川崎は勝点4~5差となり、鹿島のリーグ優勝が決まる。
 
 当然ながら、柏戦で決着をつけたかったはずだ。ただそれがかなわなかったとしても、「(タイトルは)まだ自分たちの手の中にある」と中田C.R.Oは冷静に語った。

【鹿島 0-0 柏 PHOTO】鹿島の"20冠"は持ち越し…後半に猛攻を仕掛けるも柏の守備を崩し切れずにドロー決着。

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