圧倒的な仙台ペースで進んだ試合、待っていたのは予想外の結末だった

2017年11月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

またしてもホームで横浜に勝てず…

28分に逆転弾を奪った石原。流れは圧倒的に仙台のものだったが……。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ33節]仙台2-2横浜/11月26日/ユアスタ

 J1リーグ33節の仙台対横浜が26日、ユアテックスタジアム仙台で行なわれ2-2の引き分けに終わった。

 あっという間の先制弾はアウェーの横浜に生まれた。5分、ゴール正面やや右側の位置で得たFKを天野純が得意の左足で直接叩き込んだ。

 横浜が探りを入れるようにボールをつなぎ仙台が丁寧に対応する、ゆったりした展開で始まったゲームは、このゴールシーンを境に一気にボルテージを上げる。

 8分には仙台が同じような位置でFKを獲得し、11分と13分には古林将太のクロスから決定的な場面を創出。このいい流れの中で同点弾が奪えれば――。同点ゴールが生まれたのは、スタンドを埋めた仙台サポーターにそんな考えがよぎった頃だった。

 19分、ふわりとしたCKのボールを頭でつなぎ、そのこぼれ球を大岩一貴が押し込んだ。スタンドの大歓声も相まって勢いを取り戻したホームチームはさらに攻め立てる。

 追加点が生まれたのは同点弾の9分後、三田啓貴のFKを平岡康裕が頭で折り返し、最後は石原直樹!スペースも時間もない中でのトラップ&シュート、GKを避けるようにゴール上部を狙ったその判断も含め、すべてがパーフェクトだった。

 前半を終えて2-1。ゴールはすべてセットプレーから生まれたものながら、両サイド、そして中央からと多彩な攻撃を見せた仙台のリードは妥当な結果だった。

 とりわけ目を引いたのが、長短のパスでユアスタのミッドフィールドを支配した三田。横浜にとって後半は、このプレーメーカーから始まる仙台の流れるような攻撃をどう遮断するかに集約されていたと言ってよかった。

 その課題はある程度達成された。だが、立ち上がりこそ素早いパス交換で中盤を作り、ウーゴ・ヴィエイラ、イッペイ・シノヅカらを中心に反撃を試みた横浜だが、時間の経過とともにまたホームチームがじわりじわりと盛り返す。

 そして後半最大の見せ場は80分、仙台に生まれた。これを演出したのも三田だった。ゴールにはつながらなかったものの、自慢の左足でフワリとDFラインの裏側に落したボールは、一瞬にして横浜守備陣を混乱させた。

 圧倒的な仙台ペースで進んだ試合はしかし、最後に思わぬドラマが待っていた。88分、先制点を奪った天野の左足が火を噴く。ミドルレンジから放ったシュートが仙台DFの足に当たってコースが変わり、ゴールマウスへ吸い込まれたのだ。

 5分のアディショナルタイムは、まさしく一進一退のハイレベルな攻防が展開されたが、両チームともにフィニッシュの部分で精度を欠き、白熱のゲームは2-2のドローに。9試合ぶりにホームで横浜を叩ける予感が十分にあった仙台にとっては、悔まれる結果となった。

 仙台の渡邉 晋監督も試合後、「いいゲームはできたし、やりたいことができたが勝点3が取りきれない。今シーズンを象徴するような試合だった」と振り返っている。 
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