【藤田俊哉の目】突き詰めたい“最後の質”。点が取れないなら日本の活路はどこに?

2017年11月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

ポジティブな印象を受けたのは最終ラインと…。

ミドルを放つ大迫。日本は欧州遠征を通じて槙野のヘディングシュートによる1点に終わった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 ブラジル戦から中3日のスケジュールで迎えた11月14日。日本の欧州遠征第2戦の地は、ため息が出るほど美しい街、ベルギーのブルージュだった。
 
 この日も、オランダのフェンロから車を走らせて、会場のブルージュへ。キックオフ時間は20時45分だったので、4時間前の16時45分にはブルージュの市街地へと到着するようにした。観光地として有名なこの地は、中世の街並みが特徴的だ。決戦前に早めのディナーを済ませ、教会の鐘が鳴り響くなか、ロマンチックな景色を背景に、石畳を歩いていく。こうして観光をかねて観戦できるというのも、アウェーゲームの特権と言えるだろう。

 
 4日前のブラジル戦。日本はプレッシャーをことごとく剥がされ、立て続けに3失点を喫し、前半で勝負を決められた。やはりブラジルのような格上に対して、先にゴールを奪われた状況から勝利を掴むのは難しい。
 
 いかに敵の攻撃の芽を摘み、先制点を奪うか。守備重視の戦いをベースに挑まなければいけないのは、日本よりも攻守に豊富なタレントを擁する世界ランキング5位のベルギーに対しても同様だ。
 
 ブラジル戦で見せたようなプレッシング、守備組織では、再び無残な結果になることは想像できる。序盤の20分間に、どこまでベルギーにプレッシャーをかけボールを奪えるか。まずはその点に集中して見ていたが、ブラジル戦以上の気迫と集中力をもって、日本は戦っていた。
 
 ホームのベルギーにペースを握らせなかった序盤において、ポジティブな印象を受けたのは、最終ラインの安定感もさることながら、この日スタメンに抜てきされた右FWの浅野拓磨、インサイドハーフの長澤和輝がフィットしたことだ。
 
 代表初出場の長澤は、井手口陽介とともに"フォアボランチ"として高い位置から中盤のスペースを確実に消し、日本の守備力を高めた。ワールドカップで強豪国と戦う際、走力をベースとした中盤のプレッシングは、日本の生命線となり得ることを再確認できたのは、今回のテストマッチの収穫と言える。
 

次ページ“最後の質”で輝きを放てるか。それが超一流か否かを分ける大きな違い。

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