ペルーの英雄が“心友”との約束に男泣き 「アイツと一緒にW杯へ行きたい」

2017年11月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

出場停止で大一番に出られなかった主砲への熱きメッセージ。

決勝ゴールを決め、自軍ベンチの前で泣き崩れるファルファン。その理由は戦友への想いからだった。 (C) Getty Images

 南米の古豪ペルーに歓喜の勝利をもたらしたのは、背番号10だった。
 
 現地時間11月15日、ロシア・ワールドカップ予選の大陸間プレーオフでペルーはニュージーランドを2-0で下し、36年ぶりに本大会への切符を掴んだ。本拠地リマに詰めかけたサポーターたちを狂喜乱舞させたのは、先制弾を決めたジェフェルソン・ファルファンである。
 
 28分、右サイドを果敢に突破したクリスティアン・クエバからのクロスボールを冷静にトラップし、右足でネットに豪快な一撃を突き刺したのだ。
 
 ファルファンはゴールを決めた直後に自軍ベンチへと駆け寄り、チームメイトから「背番号9」のユニホームを受け取って、それを掲げて大粒の涙を流した。試合後、ベテランFWは、男泣きの理由を語っている。地元メディア『RPP』が伝えた。
 
「全てのサポートに感謝したい。何よりもこの勝利は心の友、パオロに捧げたい」
 
 ファルファンが名を挙げた「パオロ」とは、共に代表チームを長く支えてきた主砲パオロ・ゲレーロである。
 
 通算84試合出場で33ゴールを記録している絶対的エースとして、ゲレーロは今予選でも奔走。しかし、10月6日の南米予選アルゼンチン戦後に行なわれたドーピング検査で禁止薬物の陽性反応が出たため、FIFAから1か月の出場停止処分を科され、ニュージーランドとの大一番に出られなかったのだ。
 
 そんなゲレーロとファルファンは、1984年生まれの同い年で、同郷リマの出身でもあり、ユース年代から祖国のために苦楽を共にしてきた、いわば"心友"である。
 
 禁止薬物の使用を否定しながらも、出場停止処分を科されてしまったゲレーロを気遣うファルファンは、「僕はお前に、こうなることを約束していただろ。覚えているかい?」とメッセージを送り、「みんなが、パオロの状況が改善され、一緒にW杯へ行けることを願っている。彼は本当に重要な選手だからだ」と、世界の大舞台での、主砲との共闘を願った。
 
 ペルーの復活のために10年以上もチームを牽引し続けてきたファルファンとゲレーロ。はたして、2人は来年6月に揃ってロシアのピッチに立てるのだろうか。
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