イタリアが代表監督解任も、居座った連盟会長には内部から非難轟々!

2017年11月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「イス」より「ベンチ」の方が居心地悪い

ヴェントゥーラ監督(左)に解任を通達したタベッキオ会長(右)。自身は留任し、国民の多くが望む人物の監督就任を実現させようと尽力しているが……。 (C) Getty Images

 60年ぶりの屈辱にまみれたイタリアにとって、再建に向けた第一歩となるのだろうか。
 
 
 イタリア・サッカー連盟(FIGC)は現地時間11月15日、イタリア代表のジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督の退任を発表した。一方で、FIGCのカルロ・タベッキオ会長は辞任を拒んでいる。
 
 スウェーデンとのワールドカップ(W杯)欧州予選プレーオフに敗れ、1958年スウェーデン大会以来となる本大会出場を逃したイタリア。試合後に引責辞任について言葉を濁したヴェントゥーラ監督だったが、周囲が予想したように続投の可能性はなかった。
 
 FIGCの声明では、ヴェントゥーラ監督が辞任したのか、解任されたか、明言はされていない。だが、イタリア各メディアは解任と報じており、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、FIGCは税別で80万ユーロ(約1億円)をヴェントゥーラ監督に支払うことになるようだ。
 
 指揮官の退任時には、就任以降の仕事への感謝や今後へのエールが記されることも少なくないが、FIGCの声明にそういった文言は含まれていない。
 
 ガゼッタ・デッロ・スポルト紙は、「ヴェントゥーラと話し、彼の協力や仕事がもう必要でないこと、つまり今日から彼はもう代表監督ではないことを伝えた」というタベッキオ会長の発言を伝えている。
 
 一方で、タベッキオ会長は後任について、「重要な監督たち(の招聘)を考えた。その道を全うできるか様子を見よう」とコメント。最有力候補とされるカルロ・アンチェロッティ氏ら、ビッグネームに打診する考えを明かした。
 
 FIGCやガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、そのタベッキオ会長は週明けの会議で、今後に向けた提案をするという。だが、ヴェントゥーラ監督を選んだタベッキオ会長の任命責任を問う声も多い。
 
『スカイ・スポーツ』によると、15日の会議を途中で退席したイタリア・サッカー選手協会のダミアーノ・トンマージ会長は「タベッキオは辞任しないと言ったが、我々は(会長)選挙から再出発すべきと考える」と、タベッキオ会長ら首脳陣を批判している。
 
「他の出席者たちは立場を取らず、次の会議まであらゆる決定を先送りにした。我々からすると、辞任が前提だった。これでは、他のことについて話すのは難しい」
 
 トンマージ会長はツイッターでも、「今日、(権力者の)イスよりも(監督の)ベンチの方が居心地悪いということを確認した」と、再び辞任しなかった連盟会長を非難している。
 
 失意のどん底に叩き落されたカルチョの国は、いまだ混迷の最中にある。タベッキオ会長が続投し、アンチェロッティのような大物指揮官が代表監督を務めることで、イタリア・サッカー界は復権を遂げられるのか。今後に注視したい。
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