日本よ、この選手の警戒を怠るな! ベルギー戦で注意すべきアタッカーと解決策

2017年11月14日 内藤秀明

ペップの薫陶を受けて覚醒したドリブラー。

世界中の名手が集結しているプレミアリーグにおいても、屈指の実力を兼ね備えているデ・ブルイネ(左)。ルカク(中央)、アザール(右)。 (C) Getty Images

 そのタレント力は、列強国が揃う欧州で屈指だ。ベルギー代表はここ数年、目覚ましい成長を遂げている。
 
 天才肌のエンツォ・シーフォを擁した1986年のメキシコ・ワールドカップでベスト4に入りを果たすなど、1980年代に黄金時代を築き上げて『赤い悪魔』と恐れられたベルギーだが、徐々に衰退。2002年の日韓ワールドカップ以降は、欧州予選で敗れ続け、長く国際舞台から遠ざかっていた。
 
 そうした低迷期を脱するべく、ドイツやフランスなどの育成組織をロールモデルとして取り入れ、育成の強化を図ったベルギーは、若い人材の輩出に成功して見事に復活する。
 
 2014年のブラジルのワールドカップ、2016年のフランスのEURO2016と、熾烈な欧州予選を見事に勝ち抜いて出場権を獲得。どちらの大会でも、ベスト8に食い込んだのだ。
 
 そうした戦いのなかで、当初は"有力な若手がいるダークホース"にすぎなかったベルギーだが、20代前半だった選手たちが、プレミアリーグやセリエAといった欧州のトップリーグで揉まれ、「ワールドクラス」へと生まれ変わり、世界制覇も見据えるほどのチームへと進化を果たした。
 
 そのなかでも目を見張る成長を遂げ、ワールドクラスのアタッカーとなった3選手がいる。彼らはいずれも11月14日(日本時間15日)の日本戦で、大きな脅威となりうる要注意の選手たちである。
 
 まず、最初に紹介するのは、マンチェスター・シティのケビン・デ・ブルイネだ。2013年11月に日本と対戦した際は、後半途中から出場した若手MFにすぎず、また経験の乏しい青二才だった。しかし、今やジョゼップ・グアルディオラからの信頼も厚いタレントとなっている。
 
 彼の武器は、なんといっても高精度のキックにある。どんな状況においても正確なボールが蹴れるのが最大の特徴で、FKから正確なクロスを供給したかと思えば、速攻の場面でトップスピードに乗りながら、抜群のアーリークロスでゴールを演出することもできる。
 
 デ・ブルイネは、2015年の8月にヴォルフスブルクからマンチェスター・Cへ移籍した時点で、「カウンターの申し子」と呼ばれるほど、速攻において異質なプレーを披露していたが、昨シーズンにグアルディオラが就任してからは、さらに一皮むけた印象がある。
 
 それまで遅攻の場面では、サイドに流れてクロスを供給する役割に徹していた感もあるが、今では中央でも自らがどう活きるのかを心得ているように見える。
 
 今シーズンのプレミアリーグ、チェルシーやアーセナルを相手にしたビッグゲームでも、サイドに張り出すのではなく、中央でボールを受けてシンプルなワンツーからミドルシュートを沈めるなど、そのプレーの幅が広がっていることを証明している。
 
 14日の日本代表戦において対面するのは、インサイドハーフに位置する山口蛍や井手口陽介になるはずだ。Jリーグでデ・ブルイネほど鋭く、精度の高いボールを蹴れる選手はいないため、当然のことながら、油断すれば痛い目に遭うだろう。
 

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