大旋風を巻き起こした日韓大会の再現も!? セネガルが久々にW杯の舞台へ

2017年11月11日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

各ポジションに好選手を抱えるアフリカ随一のタレント軍団。

02年大会以来のW杯出場を決めて歓喜するセネガル代表の選手たち。ロシアでも旋風を巻き起こすのか。(C)REUTERS/AFLO

 2002年の日韓ワールドカップで、韓国やその開催国と3位決定戦を戦ったトルコとともに、大旋風を巻き起こしたアフリカの国を覚えているだろうか。初出場ながら準々決勝まで勝ち進んだセネガルだ。

 ソウルでの開幕戦。大会連覇が懸かっていた優勝候補のフランスを打ち破った衝撃は凄まじく、W杯史上に残る大番狂わせとしていまなお語り継がれる。当時のセネガル代表は、旧宗主国であるフランスでプレーする選手が大半だったため、未熟な弟がエリートの兄を倒したというような構図で語られたものだ。

 ジネディーヌ・ジダン擁する最強軍団を破ったアフリカの新興国は、その勢いを駆ってグループリーグを突破。さらに決勝トーナメント1回戦でスウェーデンを破り、ベスト8に名乗りを上げた。準々決勝ではトルコに惜しくも敗れ、アフリカ勢初のベスト4入りは果たせなかったものの、W杯史上もっとも波乱に満ちた大会を象徴する国のひとつとして、その見事な快進撃は歴史に刻まれている。

 そのセネガルが15年の時を経て、久々にW杯の出場権を勝ち取った。

 レフェリーの不正行為により再試合となっていた南アフリカ戦が11月10日(現地時間)に行なわれ、アフリカ最終予選のグループDで首位に立つセネガルはこの試合に2-0で勝利。最終節(11月14日)を前に予選突破が決まったのだ。

 ここまで長く苦しい道のりだった。日韓W杯以降は低迷期に突入し、W杯は3大会連続で予選敗退。アフリカ選手権では04年大会がベスト8、06年大会が4位とまずまずの成績を収めたが、その後は二度も予選で姿を消し、本大会に出場してもグループリーグ敗退が続いた。

 復活の兆しが見えたのは、今年1~2月に開催されたアフリカ選手権だった。グループトップで決勝トーナメントに進出。準々決勝で優勝したカメルーンにPK戦の末に惜しくも敗れたものの、その後も好調を持続しW杯予選を見事に勝ち抜いた。

 現在のセネガル代表はアフリカ随一のタレント軍団で、日韓W杯当時と比較してもタレントの質は上回る。

 4-3-3システムの前線には、左にリバプールのサディオ・マネ、右にモナコのケイタ・バルデ・ディアオと強力な両ウイングを擁する。中盤を支えるのは、ともにプレミアリーグで活躍するキャプテンのシェイク・クヤテ(ウェストハム)とイドリッサ・ゲイエ(エバートン)。さらに最終ラインでは、セリエA屈指の名手と評されるカリドゥ・クリバリ(ナポリ)と、ベルギーの名門アンデルレヒトのDFリーダー、エムボジ・カラのアフリカ最強のCBコンビが睨みを利かせる。

 ミランが保有権を持つFWエムバイ・ニアング(現在はレンタル先のトリノでプレー)や、パリ・サンジェルマン出身の右SBユースフ・サバリ(現ボルドー)と、フランスの年代別代表歴がある選手を"補強"するなど戦力強化にも余念がない。日韓大会での快進撃の再現を期待させるだけの充実した陣容だ。

 チームを率いる指揮官は、日韓大会でキャプテンを務めたアリウ・シセ。エースのエル=ハッジ・ディウフやMFのパパ・ブバ・ディオプらとともに大躍進の原動力となった国の英雄が、ロシアの地から自国民に再び「夢」を提供するかもしれない。
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