【日本代表】ブラジル代表との過去11戦を振り返る――厚い壁にはね返され続けた歴史

2017年11月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

ネイマールに4発を許した2014年

写真は、現時点で最後の対戦である2014年。自国開催のW杯でドイツに大敗を喫したショックを引きずっていたブラジルだが、ドゥンガ率いる新生チームは日本を全く寄せ付けなかった。 (C) Getty Images

 11月6日、日本代表はフランス・リールでブラジルと対戦する。
 
 Aマッチとしては今回で12回目の対戦。国際親善試合からワールドカップ本大会まで、様々なシチュエーションで両国は対決してきたが、日本はただの一度も勝利を挙げていない。
 
 ここまで、通算成績は日本の2分け9敗で、日本の通算得点はわずか4、対して失点は31と、圧倒的な力の差を見せつけられている。
 
 A代表同士の初対決は1989年。日本はまだJリーグ開幕前で、赤いユニホーム(A代表の歴史においてこの時期だけ)を着用していた時期だ。本来なら90年イタリア・ワールドカップのアジア2次予選に向けての強化試合となるはずだったが、日本は1次予選で早々に敗退し、何ら目的のないまま歴史的な一戦に臨んだ。
 
【写真&データ】日本vsブラジルの11試合(1989~2014)
 
 この後、93年にJリーグが開幕したことで日本サッカーは劇的に変貌し、代表チームも短期間で飛躍的に力を上げたが、自信をつけたところで必ず、その鼻っ柱をへし折ってきたのがブラジルだった。"ロベカル"の左足の一撃が日本の度肝を抜いた95年のアンブロカップしかり、大量5点を奪った同年8月の一戦しかり……。
 
 96年、アトランタで五輪代表が金メダル候補筆頭のブラジルを破った試合は、「マイアミの奇跡」として語り継がれるものとなったが、A代表同士の戦いにおいては、波乱は起きなかった。97年、99年と、希望と期待を持って臨むもブラジルの壁は厚く、スコアこそ違えども(日本の無得点は変わらず)、常に日本は多くの課題を突きつけられるだけだった。
 
 そんな強大な敵を相手に、ようやくドローに持ち込んだのが2001年。日韓ワールドカップの前年に行なわれたコンフェデレーションズカップでのことだ。まだシーズン中で、ブラジルの大会出場メンバーに主力の欧州組が入っていなかったこともあって、日本の初勝利も期待されたが、メンバーを落としてもブラジルは強かった。しかし、日本はブラジルの決定力不足に助けられ、互いにスコアレスのまま試合終了の笛を聞いた。
 
 そこから、さらに進歩した姿を見せたのは、4年後にドイツで開催されたコンフェデレーションズカップ。グループリーグでブラジルと対峙した日本は、2度のリードを許したものの、中村俊輔の高度な技術力などで追いつき、引き分けに持ち込んだのである。
 
 ようやくブラジルとの差も縮み始めたか――そんな手応えのようなものを掴んだのも束の間、翌年のワールドカップ本大会では、勝利が義務づけられた状況で日本は1-4の完敗を喫し、失意のどん底に突き落とされた。
 
 それ以降も2度の対戦で日本は、いずれも大差での完封負けを喫している。多くの強豪国と対戦してきた日本は、親善試合などでは内容の伴った善戦を見せたり、大番狂わせを演じたりすることもあるが、ことブラジルに対しては、公式戦はもちろん、テストマッチにおいても力の差を感じさせられることがほとんどである。
 
 発足したばかりのハビエル・アギーレ体制4試合目として、中立地のシンガポールでブラジルと対戦した14年も、エースのネイマールを抑え切れず、彼ひとりに4ゴールを許して、またしても完敗を喫した。
 
 そして今回、日本はフランスの地で12度目の挑戦に臨む。南米予選途中からぐんぐんと調子を上げて独走を続け、突破一番乗りを果たしたブラジルは、豪華な陣容とチッチ監督に植え付けられた組織力によって、現在では世界でもトップクラスの力を有している。
 
 そんな強大なチーム相手に、課題山積の日本がどのような試合を見せるのか、非常に興味深く、そして楽しみである。
 
◇Aマッチにおけるブラジル戦の結果一覧
1989年7月23日・リオデジャネイロ ●0-1
1995年6月6日・リバプール ●0-3
1995年8月9日・国立 ●1-5
1997年8月31日・大阪 ●0-3
1999年3月31日・国立 ●0-2
2001年6月4日・鹿島 △0-0
2005年6月22日・ケルン △2-2
2006年6月22日・ドルトムント ●1-4
2012年10月16日・ブロッワフ ●0-4
2013年6月15日・ブラジリア ●0-3
2014年10月14日・シンガポール ●0-4
※通算成績:2分け9敗・4得点31失点
 
※本文は2014年10月12日掲載の記事を加筆修正
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