【湘南】「“あのプレー”が今年を象徴している」菊地俊介が感じたチームの成長

2017年10月30日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

岡山戦はまさに今季を象徴するようなゲームだった。

岡山戦では腕章を巻いた菊地。表彰式ではシャーレを掲げ、喜びを露わにした。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J2リーグ39節]湘南1-1岡山/10月29日(日)/Shonan BMWスタジアム平塚
 
 J2リーグ39節で岡山と1-1で引き分けた湘南が、2014年以来2度目のJ2優勝を達成した。その岡山戦でキャプテンマークを巻いた菊地俊介は、「なかなかボールを思い通りに動かせず、自分たちらしさはなかなか出せなかった。本当は勝って終わりたかったですけど、最低限はできたかなと思います」と、豪雨での激闘を振り返った。
 
 39節時点で2位の長崎との勝点差は10。数字上の差は大きいが、「今年は1点差が多く、どっちに転んでもおかしくない試合がたくさんあった。2014年よりも間違いなく厳しいシーズンだった」と菊地は言う。
 
 その意味では、岡山戦はまさに今季を象徴するようなゲームだった。
 
 前半終了間際にジネイのゴールで先制したものの、後半は終始、岡山の迫力のある波状攻撃に圧倒され、自陣ゴール前に張り付く時間がほとんどだった。それでも粘り強く守り、なんとか最少失点に抑え、かろうじて勝点1を拾った。そんな内容だった。
 
 それでも優勝の条件である勝点1は獲得。ノルマは果たした。曺監督が「今日の試合のほかにリーグ戦は30試合以上あった。3-0、4-0で勝てる試合を"良い意味"で続けていなかった。今年の選手は強くなるために、やらなきゃいけないことをしっかりとこなせる。追いつかれて勝点2を落としたともいえるけど、今日は、勝点1を取ることがすごく大事だった。そういう意味では成長したな」と試合後の会見で言っていたのが印象的だった。
 
 同じように菊地も、この試合のあるプレーが今季を象徴していたという。
 
「最後1点取られて、その後もやられておかしくないシーンがあった。でもみんなゴール前で身体を張って、スライディングをして守っていた。あのプレーが今年の湘南を象徴していたなと」
 
 岡山の終盤のラッシュをもろに受けながらも、全員が身体を投げ出し瀬戸際は越えさせない。J2優勝も、苦しみながらそうした戦いぶりを続け、少しずつ積み上げた結果なのだ。
 
 とはいえ、課題がなくなったわけではない。菊地は「まだJ1ではなにも成し遂げていない。ここからが新たなスタート。まだまだやるべきことは多いので、残り3試合、また全力で頑張りたい」と意気込んでいる。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWeb)
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